簡単な歴史・解説
非常に古い犬種のひとつ。起源は少なくとも紀元前150年までさかのぼるといわれている。チャウ・チャウの発祥は東南アジアとされるが、正確な歴史は知られていない。北極圏に発し、次いでモンゴル、シベリア、中国へと旅をしたという説もある。チャウ・チャウの祖先がたどった跡をさぐっていくと、北方地域の犬ソリ犬に行きつくということらしい。おそらく、秋田犬やサモエドの近縁でもあるのだろう。チャウ・チャウは、中国で何世紀にもわたって猟犬として使われてきた。7世紀のタン王朝の皇帝は、2500組ものチャウ・チャウと思われる犬のつがいを保有していたとされる。また、モンゴルや旧満州(中国東北部)の市場では、チャウ・チャウの皮は布として売られ、肉は食用となっていたらしい。1880年代のはじめに、イギリスに数頭が輸出された。イギリスの船乗りたちが、雑多な船荷や骨董品を一括して呼ぶ言葉から、チャウ・チャウの名をとったといわれている。アメリカのショーにはじめて出陳されたのは1890年で、今ではとてもポピュラーな存在になっている。
特 徴
大きく短くコンパクトな体。筋骨隆々とした肩と胸部で力強い頸をしている。大きく広く平らな頭部に、短く広い口吻と黒い鼻。小さく直立し、少し丸みを帯びた耳。眼は卵形で濃い色をしている。ほかの犬種では見られないブルー・ブラックの舌が特徴。しかめっ面のような表情。四肢の飛節はまっすぐで重く、そのため竹馬に乗ったような歩様をみせる。コートはブラシのようなダブルコート。
毛 色
レッド、ブラック、フォーン、クリームなど。ショーでは単色ならどんな色でもよい。
お手入れ
毛玉を防ぐために、少なくとも週2回はグルーミングをする。粗い上毛はピンブラシ、下毛はレイクブラシを使用する。
性 格
ときに横柄でよそよそしい感じがするが、主人と決めた人にはとことんついていくタイプの犬種である。知的で貫禄があるが、頑固で、ほかの犬や動物たちにどんな態度をするか、予想できないところもある。生まれつきのガード・ドッグ(番犬)といえるだろう。
運 動
室内飼いであればあまり活動的ではないが、戸外に連れ出して、適量な運動をさせることは必要である。
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