シマリスについて

シマリスは、ペットのリスの中でも有名な種類で“ゲッ歯目 リス科 シマリス属”に分類されます。 野生はユーラシア大陸・韓国・中国などに分布し、日本では、北海道のみに“エゾシマリス”というシマリスが生息しています。そしてペットのシマリスほとんどが、海外から輸入されています。その中にもたくさんの亜種が存在しているようです。
しかし、日本では北海道にしかいるはずのないシマリスが、日本の各地で発見されるようになりました。それは、ペットとして育てていたシマリスを、人間の勝手な理由で野に放してしまった結果なのです。野生リスの生活を脅かし、元の自然を狂わせることは絶対してはいけません。最後まで責任をもち、ずっと可愛がって育てることが、飼い主さんの使命であることを忘れないでください。
シマリスは基本的に単独生活の動物で、成長するにつれて自己主張が強くなります。そのため、縄張り意識が強く、ケンカをすることが多いため、繁殖を希望しないのであれば、1つのケージに1匹というのが安全でしょう。また、繁殖希望の場合も相性によってはオスとメス別々に分けなければなりません。そして繁殖には経験や飼育環境の調節が必要となり、生まれた子供たちにも1匹につき1つの飼育スペースを用意することとなります。そのような準備と心構えができないうちは繁殖を避けましょう。
平均寿命は6~10年といわれていますが、10年以上生きたという例もあります。逆に体質が弱かったり、病気などで長生きできない場合もあります。いずれにせよ、シマリスが幸せに天寿をすごせるように、飼い主さんは大切に育ててください。

飼育セットをそろえる

シマリスを迎える前に、育てるために必要なセットを用意し、用品ひとつひとつの用途を把握しておきましょう。

飼育セット

  • ケージ
  • 床材
  • 吸水器
  • ビタミン剤
  • リス用混合フード
  • 補助食
  • 果物・野菜
  • エサ用昆虫
  • エサ入れ
  • 隠れ家
  • 巣材
  • 飼育本
  • ヒーター

どんなごはんをあげたらいいの?

生後3週~1ヶ月半のベビーたちは、まだ内蔵の働きが完全ではないため、食事の内容も異なります。成長に応じてフードをしっかり食べさせるためにも、内容を切り替えるタイミングを考え、バランスのよい食事を心がけましょう。
とくに離乳期に入ったばかりのベビーは、まだドライフードや固形のペレットなどの、大人用のフードは食べられません。そのため、ミルクや、食べやすい補助食を与えます。生後の浅いベビーは、育てることに細心の注意が必要なため、体調が安定し、完全に離乳したシマリスを選ぶことをおすすめします。

MEMO

●お水
新鮮なものをいつでも飲めるように、吸水器で与えます。

●回数と時間
朝~昼に1回。基本は昼光性のため、夕方以降は寝てしまうことが多いのです。

※ベビーのミルクは生後や体調によって回数が異なります。詳しくはお店スタッフにおたずねください。

●リスフードの種類
おうちに来るまで与えられていたものを聞き、はじめはそれを与えてあげるとよいでしょう。 野生のシマリスは、種子類を主食としています。リス用の混合フードや、ハトの配合飼料を中心に与えるとよいでしょう。

※ベビーに関しては、ミルクや離乳食のつくり方・回数が難しいので、お店スタッフに教わってから購入しましょう。

●生後3週~1ヶ月半

1.ミルクまたは離乳食
離乳してすぐのベビーには、補助としてミルクや離乳食を与えます。一般的に小動物用のミルクを与えます。離乳食は、水分が多過ぎると下痢をしたり、口のまわりや体が濡れて汚れてしまうので注意しましょう。

2.野菜・果物など
まだ内臓の働きが完全ではないため、生野菜を多く与えると下痢をしてしまう可能性があります。そのため、野菜・果物はごく少量与える程度にしましょう。
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や下痢の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。

3.補助食
乳離れしてまだ日が浅いため、高カロリーで消化吸収しやすい補助食を少量与えるとよいでしょう。

4.リス用混合フード
人工フードと自然食がミックスされたものと、固形のペレットのみのものがあります。ベビーはまだかたいフードが食べられません。そのため、リス用混合フードをいつでも食べはじめられるように置いておきましょう。生後約1ヶ月半ころになると、少しずつ自分で食べはじめます。

●生後2ヶ月~

1.リス用混合フード
人工フードと自然食がミックスされたものと、固形のペレットのみのものがあります。生後1ヶ月半~2ヶ月は、離乳食や補助食を少しずつ少なくし、大人用のフードに切り替える時期です。突然切り替えると、栄養バランスが偏り、体調を崩す場合があるため、必ず少しずつ切り替える方法をとってください。

2.野菜・果物
主食のフードや牧草で補えない栄養を摂ることができ、食欲増進にも効果があります。
野菜 : ブロッコリー、ニンジン、小松菜、パセリ、サツマイモ、サヤエンドウなど
果物 : リンゴ、イチゴ、ブドウ、ブルーベリーなど

3.動物性たんぱく質
動物性たんぱく質の補給のため、ミルワームなどの昆虫、ペット用チーズ、煮干などを少量与えるとよいでしょう。
※与え過ぎは偏食や体調不良の原因となることがあるため、おやつ程度に少量ずつ与えてください。

注意

フードの切り替え時期は個体差がありますので、上記の内容と異なることがあります。それぞれつくり方などの詳しいご質問は、お店スタッフにお気軽におたずねください。

シマリスの病気について

シマリスのように小さな動物は、飼い主さんが病気やケガに気が付いたときには、手遅れとなってしまうことがあります。それを防ぐためには、普段からの健康管理がとても大切です。毎日シマリスの様子を観察し、天候や与えた食事、食べた量などを日誌につけておくと、病気になったとき獣医さんが診察するのにとても役立つことでしょう。ここでは、症例として多い病気を取り上げ、症状・原因・予防の代表例を紹介します。

MEMO

シマリスの風邪について

シマリスの風邪は、免疫力・体力ともに低いベビーの時期に症状として多く出ます。そして、その時期の風邪は、それが原因で命を落とすことも多くあります。シマリスは人間の風邪にも感染するため、飼い主さんは十分注意が必要です。そして、ベビーの生まれる春は、温度差が激しく、寒さも風邪をひく大きな原因といえます。また、ストレスにより弱った状態は非常に風邪にかかりやすくなります。そのため、安定して環境で、保温を徹底し、風邪ウイルスの蔓延を防ぐことが重要です。
はじめの [鉄則3] にもあるように、日ごろからペットにとってよりよい環境を整えることが、最も大切な予防となるのです。

MEMO

シマリスに多い病気

風邪:咳、くしゃみ、鼻水、食欲不振による衰弱など

内容
シマリスのベビーには最も多いといえる症状です。さまざまな風邪のウイルス・カビ・細菌の感染が原因となります。主にストレス、急激な温度変化、不衛生な環境がウイルスの蔓延を引き起こします。人間同様、くしゃみ・鼻水・咳・食欲不振などの症状があり、体力のないベビーは風邪が原因で最悪の場合死んでしまうこともあります。

予防方法
室温が低いことが、大きな原因といえます。基本的にペットショップでは、複数のシマリスベビーが一緒に飼育され、みんなが固まって体温を保っている、もしくはペットヒーターなどでシマリスの適温に設定してあります。しかし、購入後1匹になり、おうちの室温が低いと、急激な温度変化に耐えられず、体温調節ができなくなってしまいます。そのため、必ずペットヒーターで保温を十分行いましょう。
すでに風邪をひいてしまったペットや人が近くにいると、ベビーはとくに感染しやすいため注意しましょう。また、こまめな掃除でケージ内を衛生的に保ちましょう。

適温
生後約2ヶ月まで ⇒ 26~28℃ 生後約2ヶ月以上 ⇒ 24℃前後

注意

紹介した病気のほとんどが、健康な個体もしくは1度治療をして回復した個体であっても、ストレスや飼育環境の悪化によって再度発症してしまうことがあります。日ごろから健康チェックで便などの状態を観察し、症状の早期発見を心がけましょう。異常を発見した場合は、すぐ購入したお店のスタッフまでご相談ください。

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