体のしくみ

人間同様、立体的にものが見える。近年の研究では色も識別できることが明らかとなった。視力は人間の10分の1で、意外と近眼である。もともと夜行性の動物のため、湾曲した水晶体と発達した角膜、さらに眼底にタペータムという反射板があり、入射光を2倍に反射し、それが視神経を興奮させるシステムとなっている。尚、そのシステムが高性能の耳と集中力が相まって、動くものに大変敏感。

人間が1~2万ヘルツの音まで聞き分けるのに対し、猫は5万ヘルツの超音波まで聞きとることができる。前方の音だけでなく、耳を動かして後方の物音までキャッチする。音のするものと自分の距離感も計ることができる。

犬ほどではないものの、すぐれた嗅覚をもっている。ほかの猫の尿や体臭をかぎ分け、求愛・縄張りの確認をしている。なお、温度計の役割ももっている。

上下合わせて30本。生後約1年で永久歯に生えかわる。門歯は毛や羽をむしりとるため鋭く、臼歯は肉を引き裂くためギザギザになっている。肉食獣特有のキバは、爪とともに大切な武器である。

全体がトゲ状でザラザラしている。そのトゲは糸状乳頭といい、先端が舌の奥のほうにむかって生えている。その舌で、体毛をグルーミングしたり、においを舐めとる。さらに食事の際には、骨についた肉をそぎおとしたり、手の使えない猫にとっては重要な役割を果たしている。舌の先端部は敏感だが、中央とつけ根は鈍感である。味覚はほとんどなく、食事はにおいで判断している。

ひげ

鼻の横だけでなく、目の上・あご・頬の4箇所にピンと張っている。ひげの先端を結んで描かれる円の範囲までを、自分が通れると判断する。根元には神経が集中しており、そこで風向き・気圧の変化などを感知し、空気の動きよって、触れなくても対象物の大きさがわかる。ひげの神経はまぶたに直結しており、ひげに刺激を感じると、まぶたをすばやく閉じて眼を保護する仕組みとなっている。ひげは大切なアンテナとなっているため、切ることは厳禁である。

まるで鞘に収められたナイフのようである。静かに歩くため爪をしまい、肉球といわれる足裏のふくらみで防音している。長距離を走ることが苦手なため、できるだけ近づけるような仕組みになっているのだ。尚、爪をしまっておくと先がすり減らないため、鋭くとがり、木登りや攻撃に適している。

尻尾

尾椎という小さな骨が重なってできている。ジャンプや高いところから飛び降りる際にバランスをとる役割もあるが、人間が猫の感情を読みとるシグナルでもある。
機嫌ななめ:大きく振り回す ご機嫌:ピンと立っている 興奮:タワシのようにふくらむ など

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