ウサギについて
現在世界中で育てられているウサギたちは、“アナウサギ”というスペイン半島など限られた地域にいたものをペットとして新種改良されたものです。小型のドワーフ種やダッチ種、大型のジャイアント種、耳の垂れたロップ種など、外見上は大きく異なって見えますが、元々は同じアナウサギです。
アナウサギは名前の通り、地面に穴を掘って群れで暮らすのが特徴で、野生では迷路のような巣穴に自分の部屋をもって暮らしています。日中はあまり外に出ず、朝と夕方に出てきて野草を食べます。そのため行動範囲はあまり広くなく、性格もおとなしいので、ローマ時代から飼われるようになり、11世紀ごろには広く普及しました。
アナウサギは集団で暮らしていたので、複数で育てたほうがよいと思われがちですが、縄張り意識が強く、ケンカをすることが多いため、相性が合う個体以外の複数飼育は避けるか、別々のスペースを用意すべきです。また、生後半年で性成熟し、出産可能となりますが、生まれた子供たちにも1匹につき1つの飼育スペースが必要となるので、そのような準備と心構えができないうちは繁殖を避けましょう。
平均寿命は7~10年といわれていますが、18年生きたという例もあります。逆に体質が弱かったり、病気などで長生きできない場合もあります。いずれにせよ、ウサギが幸せに天寿をすごせるように、飼い主さんは大切に育ててください。
飼育セットをそろえる
ウサギを迎える前に、育てるために必要なセットを用意し、用品ひとつひとつの用途を把握しておきましょう。
飼育セット
- ケージ
- 床材
- 吸水器
- 整腸剤
- 主食
- 補助食
- 牧草
- 野菜・果物
- エサ入れ
- 牧草フィーダー
- かじり木
- 隠れ家
- 巣材
- 飼育本
- ヒーター
どんなごはんをあげたらいいの?
生後約1~2ヶ月のベビーウサギたちは、まだ内蔵の働きが完全ではないため、食事の内容も異なります。とくに離乳期に入ったばかりのベビーは、ドライフードになれていないため、固形のペレット以外にも、食べやすい補助食を与えます。成長に応じてフードをしっかり食べさせるためにも、内容を切り替えるタイミングを考え、バランスのよい食事を心がけましょう。
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●お水
新鮮なものをいつでも飲めるように、吸水器で与えます。●回数と時間
ベビーにはふやかしたフードを与えます。ふやかしたフードは腐りやすいため、1日3回程度交換しましょう。ドライフードになったら、いつでも新鮮な牧草とフードが食べられるように置いておきましょう。●ラビットフードの種類
おうちに来るまで食べていたものを聞き、はじめはそれを与えてあげるとよいでしょう。突然種類を替えてしまうと、拒食や下痢の原因になってしまうことがあります。フードの種類を替えたい場合は、今まで与えていたものに、少しずつ新しい種類のものを混ぜ入れ、徐々に切り替えるようにしましょう。●生後1~2ヶ月
1.ラビットフード(適度にふやかしたもの)
食べやすさと消化を考え、ドライフードを水でふやかしてから与えてあげましょう。(ドライ・ウエットどちらも混ざった状態の、ごく少ないふやかし方で十分)
※フードは、やわらか過ぎても消化不良を起こす場合があるので注意しましょう。2.食用の牧草
草食動物のため、ベビーの時期から与えます。フィーダーなどに入れ、いつでも新鮮な牧草が食べられるようにしてあげましょう。3.野菜・果物
ベビーに生野菜を多く与えると下痢をしてしまう可能性があります。そのため、この時期はごく少量の野菜や果物で胃腸機能を整えます。
野菜・果物 : リンゴ、ニンジン、小松菜、サツマイモなど
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や下痢の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。4.補助食
乳離れしてまだ日が浅いため、高カロリーで消化吸収しやすい補助食を少量与えるとよいでしょう。
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や肥満の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。●生後約2ヶ月半~
1.ラビットフード
固形のペレットをそのまま与えます。生後2~2ヶ月半は、ラビットフードをウエットからドライに切り替える時期です。突然ドライにしてしまうと味や食感が違うため、食べなくなってしまうことがあります。必ず、少しずつ切り替える方法をとってください。2.食用の牧草
草食動物のため、フィーダーなどに入れ、いつでも新鮮な牧草が食べられるようにしてあげましょう。3.野菜・果物など
主食のフードや牧草で補えない栄養を摂ることができ、食欲増進にも効果があります。
野菜 : ブロッコリー、ニンジン、小松菜、パセリ、サツマイモ、サヤエンドウなど
果物 : リンゴ、パイナップル、パパイヤなど
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や下痢の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。
注意
フードの切り替え時期は個体差がありますので、上記の内容と異なることがあります。それぞれつくり方などの詳しいご質問は、お店スタッフにお気軽におたずねください。
ウサギの病気について
ウサギのように小さな動物は、飼い主さんが病気やケガに気が付いたときには、手遅れとなってしまうことがあります。それを防ぐためには、普段からの健康管理がとても大切です。毎日ウサギの様子を観察し、天候や与えた食事、食べた量などを日誌につけておくと、病気になったとき獣医さんが診察するのにとても役立つことでしょう。ここでは、症例としてウサギに多い病気を取り上げ、症状・原因・予防の代表例を紹介します。
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ウサギの下痢について(消化器系疾患)
一般的に、ウサギが体調を崩す最も多い原因として、【消化器系疾患(主に下痢)】 があげられます。ウサギの下痢は人間とは違い、体力のないベビーはそれが原因で最悪の場合、命をおとす危険性があります。
下痢といっても原因はさまざまです。その中でも、何らかのストレスにより、抵抗力が低下することによって下痢を引き起こすことが多く、それは生後の浅いベビーや、老齢のウサギに多くみられます。大きなストレスを与えたり、小さなストレスでも積み重なると、通常なら跳ね除けることができる細菌やウイルスに感染してしまい、思わぬ病気が発症してしまいます。そのほかにも、飼育環境の温度が低すぎるなどの問題で、お腹を壊してしまうこともあります。
はじめの [鉄則3] にもあるように、日ごろからペットにとってよりよい環境を整えることが、最も大切な予防となるのです。
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ウサギに多い病気
肝コクシジウム症:肝臓の肥大や小結節の形成、衰弱、発育不良、黄疸、腹部膨満、など
内容
ウサギに感染するといわれる9種類のコクシジウムのうち、1種類の原虫が肝臓に寄生して起こります。ある程度成長したウサギの場合、症状を示さない場合も多いですが、離乳から日の浅いベビーは、症状が進行すると命をおとす危険性があります。感染経路
経口感染(感染した動物が排泄した糞便に含まれるコクシジウムを、何らかのかたちで口にすることにより感染)予防方法
すでに感染してしまった動物が近くにいると、直接糞便を口にしたり、乾燥した糞便が空気中を舞うことによって、病気が蔓延する可能性があります。糞便に含まれるコクシジウムは、排泄されてから2日程度で感染力をもつため、こまめな掃除による衛生管理が最も重要になります。腸コクシジウム症:軟便、下痢、食欲不振、出血性腸炎、体重減少など
内容
ウサギに感染するといわれる9種類のコクシジウムのうち、8種類の原虫が腸管などに寄生して起こります。この病気は、健康状態のよいウサギでも感染していることが多く、そういった個体は症状を示さない場合もあります。しかし、離乳から日の浅いベビーは、症状が進行すると命をおとす危険性があります。感染経路
経口感染(感染した動物が排泄した糞便に含まれるコクシジウムを、何らかのかたちで口にすることにより感染)予防方法
すでに感染してしまった動物が近くにいると、直接糞便を口にしたり、乾燥した糞便が空気中を舞うことによって、病気が蔓延する可能性があります。糞便に含まれるコクシジウムは、排泄されてから2日程度で感染力をもつため、こまめな掃除による衛生管理が最も重要になります。
注意
コクシジウムは、健康な個体もしくは1度治療をして回復した個体であっても、ストレスや飼育環境の悪化によって再度発症してしまうことがあります。日ごろから健康チェックで便などの状態を観察し、症状の早期発見を心がけましょう。異常を発見した場合は、すぐ購入したお店のスタッフまでご相談ください。