「フィラリア症」どこまで知っていますか?

2013/05/17

病院(システム使用)
コジマつくば動物病院
本文
フィラリアは別名「犬糸状虫」といい、主に犬に寄生する寄生虫です。
幼虫をミクロフィラリアといい、これはとても小さいので肉眼では見えません。
成虫になったフィラリアはそうめんのような形をしていて、メスだと長さ30cmにもなります。
フィラリアは蚊を媒介として犬などに感染します。感染すると、心臓や肺動脈に寄生して重篤な症状を現すことがあります。


では、どのように感染するのでしょうか。
今日は感染経路についてお話しようと思います。


【感染経路】
まずフィラリア症に感染している犬を蚊が吸血します。
このときにフィラリアの幼虫であるミクロフィラリアが一緒に吸い上げられます。
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蚊の体内でミクロフィラリアが成長し、感染能力のある幼虫に成長します。
(蚊の体を借りて成長しないとミクロフィラリアのまま)
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フィラリアの幼虫を持った蚊が他の犬を吸血します。
このときに犬の体内へフィラリアの幼虫が侵入し、感染します。
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2~3ヶ月かけて皮下や筋肉内で成長し、さらに成長しながら心臓へ向かいます。
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心臓(肺動脈、右心室、右心房)が最終的な住みかとなり、そこで新たにミクロフィラリアを生産します。
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体内で生まれたミクロフィラリアは全身の血液中を流れ、蚊に吸われる機会を待ちます。


このサイクルが繰り返されることによってフィラリア症の感染が広がっていくのです。
感染には蚊がとても大きな役割を持っていることが分かりますね。
写真
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