症例紹介<猫伝染性腹膜炎(FIP)について>

2023/10/31

病院(システム使用)
コジマ亀戸動物病院
本文
今回ご紹介するのは猫伝染性腹膜炎(FIP)についてです。


猫ちゃん(ノルウェージャンフォレストキャット) 4ヶ月齢🐱
元気食欲低下で来院。
発熱、腹囲膨満、超音波検査にて腹水が確認されたのでお腹の水を抜き外部検査に出したところ、
FIPウィルスが検出されFIPと診断しました。
入院にて最初の一週間はFIPの治療薬である抗ウィルス薬の注射薬、
退院後も抗ウィルス薬の内服治療を継続し改善が認められ、
今ではFIPの再発もなく元気に過ごしてくれています。

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

猫ちゃんを飼ったことのある方であれば一度は耳にしたことのある病気ではないでしょうか。
FIPとは多くの猫ちゃんが保有している猫コロナウィルスが猫ちゃんの体内で突然変異することにより発症してしまう病気です。
近年までは根本的な治療法がなく、発症するとほぼ100%亡くなってしまう、非常に恐ろしい病気とされていました。
人の新型コロナウィルスの蔓延に伴いワクチン、治療薬の開発が急速に進み、人間の新型コロナウィルス治療薬の抗ウィルス薬(レムデシビル、モラヌピラビル)が猫FIPウィルスに効果がある事が報告され、注目されています。
当院でもこの抗ウィルス薬を使用しています。
FIPは治せる可能性のある疾患に変わりつつあります。


FIPの症状は様々で、診断過程も複雑です。
若齢猫での発症が多いとされております。
発症の初期では自宅でわかる特徴的な症状がないのがほとんどです。
元気食欲がなくなってきた、体重が増えないなどがみられたら当院までご相談下さい。

※FIPが治療可能となった事もあり、当院でもFIPの治療猫ちゃんは増えております。
当院でお薬の確保が難しい場合は、他のコジマ動物病院をご案内する事もあります、
ご了承下さい。