歯周病について。
2020/10/04
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- コジマ橋本動物病院
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- ペットの歯周病は非常多く見られますが、実は放っておくととても危険な病気です。
<歯周病とは>
歯垢中の細菌が、歯と歯肉の間の「歯周ポケット」で増殖し、炎症を起こす病気です。
もしかしたら歯周病かも?と思われる症状をいくつかご紹介します。
✔口臭がする
✔汚れ(歯垢、歯石)がついている
✔歯茎が赤く腫れている
✔歯肉から出血する
などの症状が見られたら歯周病のサインかもしれません。
歯周病が進行すると……
✔食欲がなくなる
✔顔が腫れて膿が出る
✔歯を支えている顎の骨が溶ける
✔歯が抜け落ちる
✔下顎の骨が折れてしまう
などの症状が見られることもあります。
また、炎症した部分の粘膜では血管から細菌が入り込み、腎臓や心臓にも悪影響を及ぼすことがあります。
動物は人と違い、痛みを口に出来ないので、飼い主様が気付いた頃には重症となっている子は多くいます。
<治療>
一度ついた歯石を歯ブラシで取るのは難しいため、スケーリングで歯石を取り除く必要があります。
スケーリングとは、全身麻酔下で機械を使って歯石や汚れを取り除き、歯周ポケットも綺麗することです。
スケーリングで綺麗にしたら、最後に研磨して表面を綺麗に磨きます。
グラグラしてしまっている歯に関しては抜歯をすることがあり、場合によっては悪くなった歯肉部分を切除することもあります。
抜く歯の数が多い場合や、口腔内の状態に応じて、抗生剤の投与を併用することもあります。
<予防>
歯周病は怖い病気ですが、口腔内をケアしてあげることで予防ができます♪
歯垢がついてから3日ほどで歯石になると言われていますので、歯石になる前の歯垢の状態のときにケアをすることがとても大切です!!
お家でも出来るケアで1番効果的なのはもちろん歯みがきなのですが、歯みがきが苦手な子は非常に多いのが現状です。
嫌がっている子を無理やり押さえつけて歯ブラシを使用して歯みがきをすることは、ペットにとっても苦痛です。
怪我をしてしまう危険がありますので、無理やりの歯みがきはやめてあげましょう。
<歯みがきトレーニング>
下記のように、段階を踏んで少しずつ歯みがきに慣らしていくことがとても大切です。
➀口の周りを触られることに慣れさせることからスタートします。
どのように触っても、ワンちゃん・ネコちゃんにとって、苦痛や抵抗感がなくなるまで続けてあげてください。
②口の中に指を入れて、歯を触ります。これを嫌がらなくなるまで続けましょう!
③指に歯みがきペーストを付けて、歯を触ります。(この時、おいしい味のペーストを使用してあげると◎)
④歯みがきシートを使用し、歯に触れます。
⑤歯ブラシを見せて、抵抗感がなくなったら口の中に入れます。
⑥はじめは全て磨こうとはせず、まずは1本ずつ磨くことから始めましょう。
このように段階を踏んで、ステップアップしてもらうことにより、歯みがきへの苦手意識を軽減してあげることがとても大切です。
少しでも嫌がるような素振りを見せたら一度中断し、ひとつ前のステップに戻してあげるなど、ゆっくり焦らずに進めてあげてください。
ひとつのステップに数週間など時間がかかってしまうかもしれませんが、諦めずに続けていきましょう。
毎日の歯みがきが理想ではありますが、その子の性格を見ながら無理をせずおこないましょう。
コジマのペットショップ・病院でも、デンタルケア商品を多数取り扱っておりますので、お気軽にスタッフにお声かけください♪