肥満は万病のもと

2019/09/08

病院(システム使用)
コジマ亀戸動物病院
本文
「○○ちゃん少し肥満気味ですね。ダイエットしましょう。」
病院で獣医師から言われたことはありませんか?


●毛があって人間よりも体型の変化が分かりにくい
●病院以外で体重を測る機会がない
●ぽっちゃりしていたほうがかわいいと思いがち
●正常体型が分からない

などの理由で、わんちゃんの肥満は見逃されてしまいがちです。

現代の日本のわんちゃん達は

●室内飼いが多い
●多種多様なおやつが手に入る
●共働き家庭が増えお散歩の時間が短い

など様々な要因で肥満の子が多いです。

日々の診察の中で
「ちょっと太っていた方が健康そう」
「この子がおやつを欲しがるからあげてしまう」
「フードの量は目分量できちんと量っていない」
「家族が勝手に食べ物を与えてしまう」

などのお声をよく耳にします。


皆様、わんちゃんの肥満を甘く見ていませんか?

人と同じでわんちゃんにとっても肥満は万病のもと。

●骨や関節に負担がかかる(椎間板ヘルニア、骨関節炎、膝蓋骨脱臼悪化など)
●肝臓や腎臓へ負担がかかる
●心臓病のリスク上昇
●糖尿病になりやすい

など多くのリスクが潜んでいます。

わんちゃんに健康で長生きしてもらうために、体重管理は欠かせません。
わんちゃんは目の前に出された食べ物は全て食べてしまう生き物です。

人間のように
「ちょっと太ってきたからダイエットしよう」
「昨日食べ過ぎたから今日は食べる量を控えよう」
などということはできません。

わんちゃんの体型をコントロールしてあげられるのは飼い主様だけです。

わんちゃんの体型評価は

BCS(ボディコンディションスコア)

というもので行います。
5段階でBCS3が正常体型です。

画像にもありますが

●うっすらついた脂肪の下にちゃんと肋骨が触れる
●上から見て肋骨の後ろにくびれが見える
●横から見てお腹から後ろ足に向かって切れ上がっているように見える


状態が正常体型です。
(犬種によって見え方に差がありますので、病院に来院された際に獣医師に体型の確認をしてもらうのもよいでしょう)

肋骨がすぐに触れない子は肥満です。
ダイエットを始めましょう。

ダイエットの方法としては

●運動を増やす
●おやつをやめる
●フード量を減らす
●フードを低カロリーのものに変える

などがあります。

特に避妊去勢手術をした後は消費カロリーが低下することにより太りやすくなります。
手術の実施時期にもよりますが、一般的に避妊去勢手術をした頃の体重がその子の正常体重といわれています。

避妊去勢手術時の体重を覚えておいて、その体重くらいをキープできるように気をつけてみましょう。

体重3kgのチワワちゃんが300g体重が増えた場合、成人男性に換算すると...

約6kg

体重が増えたのと同じくらいの体重の変化です!
些細な変化だと甘く見ず、しっかり体重コントロールをしていきましょう。

重度の肥満の子は治療として療法食を使用したダイエットなどが必要になることもあります。

●ご自宅でダイエットの方法が分からない
●ダイエットしているつもりだけど痩せない
●関節が悪くて運動が難しい
●持病がありダイエットが心配

などのお悩みがあれば、お気軽に獣医師までご相談ください。

痩せない原因が環境、食餌にある場合もありますし、甲状腺機能低下症など病気が隠れていることもあります。一緒に解決していきましょう。


【ボディコンディションスコアの基準】
環境省 飼い主のためのペットフード・ガイドラインより引用

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/full.pdf
写真
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