ワンちゃん、ネコちゃんが食べてはダメなものって…?

2018/08/11

病院(システム使用)
コジマ府中動物病院
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夏休みも真っ只中!家族がみんな揃ってワンちゃんネコちゃんと過ごす日々が多くなるかと思います。「この子が欲しそうに見るから・・・」といって、ついつい私たちが食べているものをあげちゃったりはしていませんか?
私たち人間にとっては美味しくて無害であっても、ワンちゃんネコちゃんの体にとっては非常に危険なものは沢山あるのです!

①ネギ類(ネギ・タマネギ・ニラ・ニンニク)
ネギ類の成分(アリルプロピルジスルファイド)は赤血球を破壊して貧血を引き起こします。また、嘔吐や下痢、血色素尿、黄疸、肝臓肥大なども引き起こし、最悪の場合、死に至ります。アリルプロピルジスルファイドは加工・調理してもその毒性は消えないため、ネギ類が入っている食べ物(ハンバーグや餃子など)はもちろん、それらの煮汁にも注意が必要です。

②カカオ類(チョコレートやココア)
カカオ類の成分(テオブロミン)は下痢や嘔吐、痙攣、発作などを引き起こし、重症例では死に至ることもあります。特にチョコレートは中枢神経を刺激して中毒を起こし、急性心不全に至る場合があるため注意が必要です。

③ブドウ・レーズン
嘔吐や急性腎不全を起こす恐れがあります。ブドウ1粒でも小型犬にとっては十分危険な量なので、誤って食べないように気をつけましょう。

④アボカド
人間にとっては「森のバター」として美容と健康にいい食材ですが、アボカドに含まれるペルシンという物質は人間以外の動物にとっては毒です。多量に食べた場合、下痢や嘔吐を含む胃腸炎を起こす恐れがあります。

⑤キシリトール
人間にとっては虫歯予防に良いキシリトールも、ワンちゃんにとっては虫歯予防にならないばかりか、インスリンの分泌を促進させて低血糖状態になってしまいます。低血糖状態になると痙攣を引き起こし、死に至る可能性もあるので、歯磨き粉やキシリトール入りガムを誤って食べないように注意しましょう。

⑥アルコール類
人間はお酒を飲んでも肝臓がアルコールを分解してくれるため問題ありませんが、ワンちゃんの場合はアルコールを分解できないため、呼吸困難を引き起こし昏睡状態に陥る危険があります。最悪の場合、アルコールが抜けずにそのまま死に至ることもあります。

⑦鳥の骨
鳥の骨は縦に割けるため、食べる際に喉や内臓を傷つける可能性があります。小型犬は特に注意が必要です。

以上に挙げたものはワンちゃんネコちゃんに与えてはいけない食べ物の一部です。この他にもワンちゃんネコちゃんにとって有毒なものはたくさんあります。しかしワンちゃんネコちゃん(特に幼い子)は興味のあるものをすぐ口に入れてしまいがちなので、以下のことに留意しましょう。

Ⅰ、手の届くところ、身の回りに置かない
Ⅱ、食べてしまって、様子がおかしいなと思ったらすぐ病院へ

元気や食欲がない、下痢や嘔吐が続く場合は病院へいらしてください。
便が緩い場合は便を持参して頂けると診療の助けとなります。
また、その症状が「いつ」「何をしてから」「どれくらいの頻度で」など、分かる範囲の状況をメモして受診して頂けると幸いです。

食べ物の管理に注意して、この暑い夏も元気に乗り切りましょう!