マダニに注意しましょう!
2017/10/08
- 病院(システム使用)
- コジマ本牧動物病院
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- これから過ごしやすい気候になってくると、
わんちゃんと一緒にお出かけしたくなりますね。
そんな時注意したいのが、外部寄生虫です。
先月はノミの特集をしましたので、今回はマダニのお話をします。
❔そもそもマダニって何?
ダニというと、家の中のベッドなどに潜んでいるものを連想しますが、
マダニはそれとはまったく違うものです。
体調は通常時で2~3mm程度で、吸血すると体が風船のように膨れ、
最大で1cm程にまで大きくなります。
マダニが寄生する相手を見つけると、吸血しやすい場所を探して
顎でしっかりと噛みつきます。
マダニは一度食いつくと吸血が終わるまでは離れません。
マダニは山の中の茂みや草むらなどに潜んでいます。
お散歩コースに草むらがある、
よく山に行く方はしっかりマダニの対策をしましょう。
❔マダニって、涼しくなってからも出るの?
マダニが活発に活動する期間は、春~秋だと言われています。
ですが、種類によっては一年中活動しているダニもいますので注意が必要です。
暖冬の年は特に注意が必要でしょう。
❕マダニに寄生されることによって起こり得る症状・病気
では、マダニに寄生されることでどのような影響があるのでしょうか?
起こり得る症状・病気の一部をご紹介いたします。
寄生・吸血による貧血
アレルギー性皮膚炎(マダニの唾液が原因となる皮膚炎。強い痒みを伴う。)
ダニ麻痺症(マダニの中の一部の、唾液中に毒を持つ種に
吸血された際に神経症状が起こることがあります。)
マダニによって引き起こされる病気
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
皆様もニュースで時々耳にすることがあるのではないでしょうか。
ダニに刺されることで起こる感染症です。
ダニに刺されることで、犬・猫だけでなく、人も感染することがあります。
近年も時々、死亡例が報告されています。
症状:これまでは、発症するのは人のみで犬や猫が発症することがないと
されてきましたが、近年犬猫での発症が報告されています。
発症例が少ないため、どのような症状が出るかは詳しくは分かっていません。
ライム病
人も犬猫もかかる感染症です。
ライム病にかかっても、多くの犬は症状を表しませんが、
ごくまれに症状が現れることがあります。
症状は関節の腫れや痛み、発熱や食欲・元気の低下、リンパ節の腫れなどです。
稀に急性腎不全などを起こすことがあります。
バベシア症(バベシア原虫)
症状:貧血・発熱・嘔吐・元気消失・食欲低下・血尿など。
最悪の場合死に至ります。
❔マダニがついていたら、どうすればいいの?
⇒すぐに動物病院へご来院ください。
吸血中のマダニはセメントのような物質でしっかり皮膚にくっついているため、引っ張っても簡単には取れません。
また、無理に引っ張って取ろうとすると、
口器(口の一部)だけが皮膚に残り、皮膚炎を引き起こしたり、
つまんだ際にマダニの身体を圧迫し、
マダニの体内の血液がワンちゃん・ネコちゃんの体内に戻ることで、
マダニの体内にある病原体も一緒に
体の中に侵入してしまう事がありますので、注意してください。
❕マダニの駆虫薬のご紹介
マダニの駆虫薬は、大きく分けて2つのタイプがあります。
☆スポットタイプ
わんちゃん・ねこちゃんの毛をかき分けて、
皮膚に直接垂らすタイプのお薬です。
1ヵ月に1回塗布してください。
アレルギーや好き嫌いがあって、
食べるタイプを与えられない子におすすめです。
時々、塗布後気にして体を周囲に擦りつける子が
いますので、お薬を付けた後はしばらく様子を見てください。
また、お薬の使用後一定時間水に濡れないようにして下さい。
詳細は病院スタッフにおたずね下さい。
☆おやつタイプ
おいしいおやつタイプのお薬です。
1ヵ月に1回のものと、3カ月に1回与えるものがあります。
シャンプーの影響を受けないため、頻繁にシャンプーをする子、
スポットタイプを嫌がってしまう子や
スポットタイプで皮膚が荒れてしまう子におすすめです。
詳細は病院スタッフにおたずね下さい。
いかがでしたか?
暑い夏が終わっても、しっかりマダニ対策をして、
わんちゃん・ねこちゃんと安心して過ごせると良いですね。