健康相談
老後と病気について
犬は人よりも成長のスピードが早く、およそ5倍の速度で成長するといわれています。
小型犬・中型犬・大型犬とサイズによって成長のスピードは異なります。小型犬や中型犬は、1歳半で人の20歳に当たり、10歳で55歳前後、15歳にもなれば75歳前後になります。大型犬は成犬になるまでは成長が遅いですが、10歳で人の75歳、15歳なら人の110歳に相当します。
このようにサイズが大きいほど平均寿命が短くなる傾向にありますが、一般的に犬の平均寿命は15年前後といわれています。大切なパートナーの最後をしっかりと看取るためにも、老後対策はしっかりとしておきたいですね。
■老化の症状
一般に7歳以上をシニアといい、いわゆる老犬といわれるようになります。
犬の老化を知る上で覚えておきたいシグナルが後足です。犬は多くの場合、後足から老化がはじまるといわれています。はじめは散歩しているときに、歩幅が狭くなり歩くスピードも遅くなるように感じます。また、次のステージでは足がよぼよぼとおぼつかなくなってきます。これは後足でしっかりと踏ん張れなくなるからです。そして、腰も悪くなり起き上がることすら困難になってしまいます。後足に注意することで老化の進行を判断できるので、予防できたり、かかりつけの獣医さんなどで早期に相談できたりします。見逃しやすいですが、注意して見ておきましょう。
このほかにも、寝ている時間が増えたり、物音や来客があっても反応が遅かったり、吠えることが少なくなったりすれば老化の兆し。認知症の症状になることもあり、昼夜が逆転したり、ごはんを頻繁にねだったり、夜鳴きをすることもあります。
■老犬のケア
老化は必ずくるものですが、老化を遅らせることならできます。ポイントは若いうちからのケアです。
食事管理は健康な体を形作る源。年齢に合わせたフードを選んであげましょう。
食後のデンタルケアも大切です。虫歯や歯周病になることで食欲が減退し、元気がなくなってしまうワンちゃんもいるので歯みがきのお手伝いをしてあげてください。老犬は食欲が減退してしまうことがあります。そのときは犬用のサプリメントをあげて栄養をしっかりと補給するのもよいでしょう。
若いうちは、適度な運動で健康な体を維持することも大切。そして、健康診断を若いころは年に1回、老犬になれば半年に1回のペースで受けることで、見た目からは分からない体の変化にも気付けます。
猫の平均寿命は10~15年程度といわれています。猫は1歳半で人の成人に当たり、5歳で35歳前後、11歳にもなれば人の60歳と同じと考えられています。そのため老後への備えは早くから考えておいたほうが病気の予防の点からも重要となります。
■老化の症状
一般に7歳以上をシニアといい、シニア、いわゆる老猫になるとよだれや目ヤニ、フケなどが目立つことがあります。これは老化や病気の症状の前兆となることがあるので見逃してはいけません。また、体が硬くなったり、口臭がひどくなったり、白内障になったり、食欲が減退したりします。さらにこの頃になると認知症を発症するケースもあり、すぐ前にごはんをあげたのに催促したり、何度も排泄をしにトイレに行ったりもします。
■老後に気を付けたい病気
年齢を重ねていくにつれて気を付けたいのがガンです。老猫で多いのは悪性リンパ腫。メス猫は乳ガンも多いといわれます。ただ、これは避妊手術をすることで発生のリスクをある程度下げることもできます。
ガンは年齢を重ねていく上でどうしようもないところがあり、ガンとうまく付き合っていくことも飼い主さんは考えておきましょう。
もっとも罹りやすく危険だといわれているのが慢性腎不全や慢性腎炎をはじめとする泌尿器系の病気です。腎臓の疾患は一度機能が失われてしまえば、回復することがありません。食欲不振や体重の現象、尿毒症などに気を付けて病気のシグナルにはすぐに気づけるようにしたいですね。
このほかにも老化で体力が衰えて、機能不全が起こることで循環器系や消化器系、内分泌系、神経系などさまざまな病気に罹患する可能性があります。
■老猫のケア
できるだけ長く元気に暮らしていくために、老猫を介護するのは飼い主さんの大切な責任です。
体の柔軟性が落ちた猫は毛づくろいがしづらくなりますので、ブラッシングをしてあげましょう。優しくブラシをかけてあげることで、猫もリラックスすることができるでしょう。
感染症を予防するためには体を清潔にすることがなによりも大事。そのため、シャンプーは定期的にしてあげたいケアです。お風呂から上がったあとはすぐにタオルで乾かして、体温を冷まさないこともお忘れなく。
体の機能が低下することで、抜け毛が多くなり被毛の量も減ってしまいます。冬は寒そうにしているかもしれません。そこでベッドや毛布を用意して暖かくしてあげることも大切な配慮です。