コジマ動物病院からのお知らせ49
避妊・去勢手術で予防できる病気
今回は避妊・去勢手術を行うことによって、予防できる病気についてお話いたします。
【子宮蓄膿症】(女の子)
<症状>
初期段階では無症状の場合が多いですが、病気が進行すると以下の症状が現れることがあります。
・元気/食欲がなくなる
・発熱する
・お腹が張る
・多飲/多尿をする
・陰部を気にするようになる
・(開放性の場合のみ)膿や出血があり、悪臭がある
子宮蓄膿症は悪化すると命にもかかわる緊急性の高い病気ですが、避妊手術を行うことにより防ぐことができます。
【乳腺腫瘍】(主に女の子)
乳腺にできる腫瘍のことで、良性と悪性があります。
悪性腫瘍の割合は、ワンちゃんの場合で50%、ネコちゃんの場合で80%~90%といわれています。
<症状>
・乳首の周りにできものができる
<悪性腫瘍が疑われる場合の症状>
・元気/食欲が低下する
・患部を触ると痛がる
・患部が日を増すごとに大きくなる
避妊手術を行うことが最も有効な予防方法といわれています。
ワンちゃんの場合は発情を重ねるごとに、ネコちゃんの場合は1才を過ぎると避妊手術での予防効果が下がっていきます。
そのため予防効果を期待するのであれば、ワンちゃんもネコちゃんも若齢での手術をおすすめしています。
【前立腺肥大症】(男の子)
前立腺が大きくなる病気です。
前立腺とは、膀胱の根元にある副生殖腺で、ホルモン作用がこの病気に深く影響していると考えられます。
ワンちゃんによくみられる病気で、ネコちゃんの発症はまれです。
<症状>
・尿の回数が減る
・血尿がでる
・便が出づらい、出ない
・歩き方がいつもと違う
・無症状の場合もあります
前立腺肥大症の原因は性ホルモンの環境変化が関係しているといわれているため、去勢手術を行うことが予防になります。
【精巣腫瘍】(男の子)
精巣に腫瘍ができてしまう病気で、ほとんどが良性腫瘍ですが、まれに悪性腫瘍もみられます。
原因ははっきりとはわかっていませんが、停留睾丸(睾丸が正常に降りていない)であることや、年齢を重ねるにことで発症しやすくなるといわれ、ネコちゃんでの発症はまれです。
<症状>
・元気/食欲が低下する
・睾丸の左右の大きさが違う
・皮膚に色素沈着がみられる
・脱毛する
精巣腫瘍は去勢手術を行うことで防ぐことができる病気です。
高齢で発症することが多いですが、高齢になってからの手術は身体への負担も大きくなります。
交配を考えていない場合は回復力も高い若齢での去勢手術をおすすめします。
【まとめ】
避妊・去勢手術を行うことで病気を予防できるだけでなく、ワンちゃんネコちゃんのストレス軽減や望まない妊娠を防ぐことができます。
ですが、全身麻酔をかけての手術になりますので不安な飼い主様も少なくないでしょう。
手術をするかどうかを事前にご家族でよくご相談いただくことも大切です。
ご不明点や不安なことなど、気になることはお気軽にコジマ動物病院までお問い合わせください。