コジマ動物病院からのお知らせ48

コジマ動物病院からのお知らせ

病院でのストレスを減らしてあげましょう②

8月の記事では、『動物病院を嫌いになってしまうとなぜ困るのか?』『人に触られる練習の実践方法』をご紹介しました。今回は、より詳しく来院ストレスについて紹介します。

おうちの子にこういった様子はありますか?

・病院に入ることを嫌がる
・診察台から降りたがる
・極度の緊張・震えがある
・攻撃的になる
・食べ物や水をうけつけない
こういった状態はワンちゃん・ネコちゃんがストレスを感じている状態と言えます。
このような様子がみられたら、なるべくそのストレスや恐怖を軽減してあげたいですね。

具体的にワンちゃん・ネコちゃんは来院時どのようなことにストレスを感じているのでしょうか

①病院への移動
②知らない、慣れない場所
③知らない人や動物
④飼い主様の緊張感や接し方
⑤診察時に触られる・動かないように押さえられる
⑥不快感を伴う処置や検査・注射や採血などの痛み
6つのストレスをすべて感じてしまうとどうなるでしょうか?

ストレスの要因が多い子は、嫌なことが蓄積すると我慢の限界ラインを超えて暴れたり、怒ったりしてしまうようになります。
嫌な思い出として強く残ってしまうので、より病院が嫌いになってしまいます。
ストレスの要因が少ない子は、我慢の限界ラインまで余裕があるので落ち着いていることができ、嫌な思い出として残りにくいです。
「⑥不快感を伴う処置や検査」に関しては、できるだけ痛みの少ない処置を意識しておりますが、
例えば注射や採血に対する不快感や痛みを慣らしたり、完全に無くしてあげたりすることが難しいので、
①~⑤のストレス要因を減らしてあげることが良いでしょう

具体的にはどういった方法でストレスを減らすことができるでしょうか

【移動のストレス】
まずキャリーバックに慣らしておきましょう。
中に毛布などを入れて、お部屋にキャリーバックをそのまま置きましょう。
普段から寝床のように利用していれば、キャリーバック=外出という認識が薄くなります。
スムーズにキャリーバックに出入りできることは災害時などでもとても役立ちます。
また、音や視覚に興奮してしまうと緊張が高まってしまいます。移動中はなるべく静かな状態を保ち、目隠しとしてタオルなどでキャリーバックを覆ってあげると良いでしょう。
好きなおやつ・おもちゃがあると、気が紛れて緊張を和らげることができます。
【知らない場所・人・動物へのストレス】
人や動物、野外の音や匂いなど、外部の刺激に慣れておくことが大切です。子犬であれば、パピーパーティーや、ほいくえんなどを利用することをおすすめします。
知らない場所や知らない人、知らないワンちゃんに慣れておきましょう。お散歩中に出会ったワンちゃんや飼い主様とふれあうことも効果的です。
病院の待合室が苦手・他のワンちゃんを怖がる場合は受付スタッフにご相談ください。
おとなのワンちゃんネコちゃんも経験を通じて生涯社会化を続けると言われているので、無理をしない範囲でトレーニングを頑張ってみましょう。
【飼い主様の様子や接し方】
飼い主様の緊張はワンちゃん・ネコちゃんにも伝わります。
普段通りに接し、ワンちゃん・ネコちゃんが不安そうな場合はたくさん話しかけて気を紛らわせてあげましょう。
診察台の上で、暴れたり嫌がったりすると叱ってしまう飼い主様もいらっしゃいますが、慣れない場所で知らない人に嫌なことをされた上に、
大好きな飼い主様にも怒られてしまうと、更に嫌な思い出になってしまうこともありますので、ご褒美におやつをあげたり、たくさん褒めてあげたりしてくださいね。
【触られることへのストレス】
ワンちゃんは、おやつ・おもちゃを使って手足・口・耳を触る練習をしましょう。
実践方法については前回の記事「病院でのストレスを減らしてあげましょう」(リンク)で紹介しております。
ネコちゃんの場合、アゴの下や尻尾の付け根など、触れると喜ぶところはありませんか?好きなところを触りながら、リラックスした状態で他の場所も触る練習をしましょう。
ワンちゃんもネコちゃんも、普段から全身を触ることができれば、来院時のストレス軽減だけでなく、
飼い主様自身がカラダの異変にいち早く気づくことができます。
 
先程の6つに分類されたストレスの中でおうちの子が一番慣れているものはどれでしょうか? すべてを軽減することは難しいですが、例えば「うちの子、人は大好き」「うちの子、移動は平気」など元々の得意分野があれば、その部分をもっと楽しいものに変えてあげましょう。
病院スタッフもなるべく診察時に恐怖や不快感を与えないよう、心がけて診察にあたっていますので、困ったことやお悩みがありましたら、お気軽に病院スタッフまでご相談ください。一緒に病院トレーニングを頑張りましょう!