コジマ動物病院からのお知らせ37
暖房器具によるペットのやけどに注意
冬はペットのために、ペットヒーターやホットカーペット、湯たんぽなどを使用するご家庭が多いと思います。
寒さ対策としてこれらの暖房器具を使用することで、ペットが低温やけどを起こすことがあるのをご存じでしょうか。
低温やけどとは体温よりも少し高めの温度(約44~50℃位)の場所に長時間接触したり、近くにいることで起こるやけどのことをいいます。
低温やけどは普通のやけどと違い、高温の物に接した時のような痛みや熱さがないため気づきにくく、気が付いた時には重症化していることもあります。
今回は暖房器具によるペットの事故防止対策と注意点についてお話しいたします。
暖房器具による事故を防ぐには?
ペット用ヒーターやホットカーペットの上にブランケットを敷いたり、湯たんぽを使用する際はタオルを巻くなど直接体が触れないようにしましょう。
また、ケージにペット用ヒーターやホットカーペットを入れる際は、ペットがいる場所全体に敷くのではなく暖房器具のない部分を作り、逃げられる場所を作ってあげましょう。
高齢や、病気などにより自分で動けない子にはずっと同じ体勢のままでいないようにこまめにカラダの向きを変えてあげて、同じ所が長時間暖房器具に接しないようにしてあげてください。
おでかけなどで移動の際、これらの暖房器具の代わりにカイロを使用される場合もありますが、カイロはいたずらをして破いてしまったり、誤食してしまう子もいます。カイロを使用する場合は十分に気を付けて使用してください。
やけど以外にも注意すべき事故は?
低温やけどと同じ時期に多いのが、ペット用ヒーターやホットカーペットのコードをいたずらしてペットが感電してしまう事例です。
ペット用ヒーターはかんでも感電しないように比較的硬めのコードカバーがついているものが多いですが、劣化や、強い力でかみ切ってしまう子もいます。
使用する際はペットがかめない場所にコードを隠したり、ケージ内に引っ張り込めないようにテープで留めるなど十分に注意しましょう。
他にもストーブなど直接暖房器具に触れることで通常のやけどをしてしまう子もいます。ペットの届かない場所に暖房器具を置くようにして、定期的な換気も忘れずに行いましょう。
このように暖房器具には危険もたくさんありますので、ペットがひとりになってしまう場合はなるべくエアコンの使用をおすすめします。
ペットがやけどをしてしまったら
やけどをしてしまった場合は、すぐに患部を冷やしましょう。
冷水で冷やしたり、保冷剤や氷がある場合はこれらを使用して冷やすことも効果的です。
患部に布などが張り付いてしまった場合は無理やり剥がさずそのまま冷やします。
冷やしたら冷水で濡らした清潔なガーゼなどで患部を覆い病院で治療を受けてください。
やけどは深いと命にかかわります。すぐに動物病院を受診しましょう。
急な冷却でペットの体調に変化があらわれる場合もあります、冷却の際はペットの状態をよくみながら行ってください。
暖房器具はペットの安全に気を付け、正しく使用しましょう。