コジマ動物病院からのお知らせ23
熱中症に気を付けましょう
今年も熱中症が心配な季節になりました。
熱中症対策が必要なのは私たち人間だけではありません。
ペットも熱中症になる危険性は十分にあります。
今回は夏に一番気を付けたい熱中症についてお話します。
熱中症とは?
気温や湿度の上昇により、うまく体温調節ができなくなってしまうために様々な症状を引き起こす病気です。
症状が重くなると、脳や内臓に大きなダメージを受けてしまい時には命を落とすこともあります。
夏場などの気温や湿度が高くなる時期は室内にいても注意しなければならない病気の一つです。
飼い主様に御注意いただくことで未然に防ぐことができますので「熱中症」についての知識を深めていきましょう。
熱中症の症状は?
【初期症状】
・カラダが熱くなる
・ハアハアしていて呼吸が浅く速くなる
・よだれが増える
【病態が進行すると・・・】
・下痢や嘔吐をする
・けいれんや発作が起こる
・目や口の中の粘膜が充血する
【ここまでくると命に関わる危険性があります】
・歯茎が白くなる
・舌が青紫色になる
・意識がなくなる
熱中症かも?と思ったら
〇まずはカラダを冷やしましょう。
・濡らしたタオルでカラダを覆う
・常温の水を直接カラダにかける
・保冷剤や凍らせたペットボトルをタオルで巻き、首や脇・内股(太ももの内側)などの太い血管が通っている場所に当てる
※急激に冷やすと体温が下がり過ぎてしまうため、冷やしている部分が冷たくなり過ぎないようにしましょう。
〇意識があり水が飲めるようなら新鮮な水を十分に与える
※一度に多量の水を飲むと誤嚥(気管に入ること)の危険や嘔吐してしまう可能性もあるので十分注意してください。
初期症状が出てから僅か5分で症状が重くなり、命を失うこともあります。
応急処置をご紹介しましたがご自身で判断せずにすぐ動物病院に相談しましょう。
熱中症を防ぐには?
・いつも新鮮な水が飲めるようにしておく
・ブラッシングをして、アンダーコートを取り除き通気を良くする
・キャリーやカートに入れる場合は、通気を良くし、保冷剤や凍らせたペットボトルをタオルで巻き一緒に入れる
・おうちでお留守番をする時はエアコンや扇風機を使い、人が快適に感じる温度と湿度に調節する
※エアコンを付けていても呼吸が荒いときは、もう少し温度を下げるなど臨機応変に対応してあげてください。
・飼い主様が車から離れるときはペットだけを車内で待たせない
・暑い時期のお散歩は早朝や日が暮れた後の涼しい時間帯を選ぶ
・過度な運動時は、いつも以上に状態に気を付け症状が現れていないか注意し、こまめに休憩をして水分補給をしっかり行う
・クールネック・クールマット・イオン飲料・ウェットフード・冷感ウェア・冷却スプレーなど熱中症予防のためのアイテムを有効に使う
特に注意が必要なワンちゃん・ネコちゃんの種類や特徴
ワンちゃん:人よりも暑さに弱い動物で熱中症になりやすいといわれています。
・北方出身で被毛が厚い犬種(シベリアン・ハスキー、サモエドなど)
〇ネコちゃん:暑さに強いといわれますが、油断しないようにしましょう。
・被毛の多い長毛品種(ペルシャ、メインクーンなど)
〇ワンちゃんネコちゃん共通
・肥満気味
・毛色が黒い(お外にでる子)
・心臓病、腎臓病、呼吸器疾患などの持病がある
・手術後やケガなどで療養中
・短頭種(鼻が短い子)
・幼齢期やシニア
日頃からできる健康チェック
・呼びかけによる反応があるか
・食欲は落ちていないか
・排泄物の状態は正常かどうか
・粘膜(目や口内、肛門)の色に異常はないか?
・体温の確認(カラダを触って普段の温かさを知っておくだけでもいいです)
・呼吸の回数や音に異常はないか
ワンちゃん、ネコちゃんの普段の状態を知っていることが熱中症を含め様々な病気の早期発見に繋がります。
まずは、できそうなことからチェックしてみましょう。
熱中症の症状や対処法、予防方法を知って暑い夏を楽しく過ごしていきましょう。