コジマ動物病院からのお知らせ17
ワンちゃん・ネコちゃんのお薬について
病院で処方されたお薬を飼い主のみなさんは、どのようにワンちゃん・ネコちゃんに与えていますか?
中には、うまく飲ませられずに苦労されている方もいらっしゃると思います。
今回は、薬の剤型とそれぞれのメリット・デメリット、投薬方法についてのお話しいたします。
薬の形状の種類について
【錠剤】
薬剤を圧縮し固めたものです。
・メリット:薬剤の量を正確に投与でき、慣れれば短時間で飲ませられるようになる。
・デメリット:飲んだと思っていても後で吐き出してしまう、投薬時に咬まれてしまう可能性がある。
【散剤】
薬剤を粉状や粒状にしたもので、粉薬と呼ばれることが多いです。
量の調整がしやすいために体重の軽いワンちゃんネコちゃんへ処方をする際などに使われます。
・メリット:水にといて飲ませる、フードに混ぜてそのままあげるなど、その子に合わせた投薬方法を選べる。
・デメリット:味の変化に神経質な子では警戒して食べてくれない・こぼれると量が不正確になる。
【液剤(シロップ)】
精製水やシロップなどの液体に薬剤の成分を溶かして作られます。
・メリット:液剤自体に味がついていると飲ませやすい、効果が早くでる。
・デメリット:味が気にいらないと泡を吹いてしまう、こぼれると量が不正確になる。
【カプセル】
散剤や液剤をカプセルに入れたものです。
・メリット:ワンちゃんネコちゃんがおいしくないと感じる薬剤でも味を隠せる。
・デメリット:錠剤よりも口や食道に張りつきやすい。※投薬後は必ずお水を飲ませてあげましょう。
投薬方法の種類
【食べ物に混ぜる方法】
食欲があり、警戒心の低いワンちゃん・ネコちゃんでは一番簡単な方法かもしれません。
好きなウェットフード・ササミ・液状のおやつなどに混ぜてあげましょう。
また、錠剤などを埋め込んであげられるような投薬用のトリーツもあります。
お薬によっては食べ物との飲み合わせの相性がある場合があります。
病気によって与えてはいけない食べ物もあるため、心配な場合は獣医師にあらかじめ相談しましょう。
【直接投薬する方法】
食べ物に混ぜられないお薬や、混ぜても食べない場合にはこちらの方法で投薬しましょう。
ご家族にワンちゃん・ネコちゃんを動かないよう支えてもらいながら行うことで、安全・確実に投薬ができます。
液剤や散剤を液体で溶いた場合には、シリンジと呼ばれる針のついていない注射器の先を犬歯のうしろから差し入れ、
むせないように少しずつ投薬することが多いです。
その際に散剤を溶く液体が多いと飲ませるのが大変になってしまうため、多くなりすぎないように気をつけましょう。
また、錠剤やカプセルは口を開けて直接投薬することができます。
散剤を少量のペーストに混ぜ上あごや歯茎などに塗りつけて舐めさせる方法もあります。
どうしても投薬が難しいケース(例えば咬んでしまうワンちゃん・ネコちゃん)であれば、
錠剤・カプセルを投薬器で投薬する方法があります。
また、お薬が嫌いで飲んでくれないのであれば、散剤を混ぜたペーストを鼻の下に塗りつけて舐めさせるなどの方法で投薬します。
直接投薬した時は、お薬が口の中や食道に張りついていることがあるので、投薬後はお水を飲ませてあげると安心です。
最後に
内服薬で治る病気であっても、投薬ができないことで治療がうまくいかないことがあります。
処方されたお薬を飲ませることは大切ですが、無理やりお薬を飲ませることはトラウマやケガにつながる可能性があります。
投薬がうまくいかない時は無理をせずに動物病院に相談しましょう。
健康な内から普段から体をおさえたり、口を触ったりする練習をしておくと将来投薬がスムーズに行えるため、
動物病院以外にトレーナーさんへの相談もおすすめです。