コジマ動物病院からのお知らせ15

コジマ動物病院からのお知らせ

ワンちゃん・ネコちゃんの外耳炎について

もうすぐ慌ただしい年の瀬を迎える季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。
今回は「外耳炎について」についてお話しいたします。

外耳炎とは

耳は「外耳」「内耳」「中耳」と3つにわけられています。
耳の穴から鼓膜までの間が「外耳道」で、耳の穴より外側のいわゆる耳の部分が「耳介」です。
外耳に炎症が起きている状態を「外耳炎」と呼び、ワンちゃんに最も多いといわれる病気のひとつです。
ワンちゃんの外耳道は非常に独特な形をしており、鼓膜までの耳道が非常に細くなっています。
外耳道の真ん中でL字型に曲がっており、通気性がとても悪いので、汚れや菌が繁殖しやすい環境となります。
特に、耳が垂れている犬種(レトリーバー系やコッカー・スパニエル系など)に多く見られます。
また湿気に弱い短頭種(ブルドッグやパグなど)、皮膚が弱い子、耳の中の毛が密に生えている子なども外耳炎になりやすい傾向にあります。
ネコちゃんはワンちゃんよりは稀ですが、特徴的な形状の耳をもつ子(アメリカンカールやスコティッシュフォールドなど)では比較的多く見られます。

外耳炎の原因は?

定期的な耳のお手入れをせず、細菌や真菌が繁殖することが主な原因です。
また、耳ダニなどの寄生虫・アレルギーやアトピーの影響・異物混入や腫瘍などがあげられます。

外耳炎の症状は?

以下のような症状が見られたら、外耳炎を疑いましょう。
・耳垢の量が増える
・耳から液体や膿(耳だれ)が出る
・耳から悪臭がする
・耳をかゆがる
・頭を頻繁に振る
・悪い方の耳を下にして、頭を傾げる
・耳を触ると嫌がる・怒る
など

 

飼い主様に注意してほしいことは?

外耳炎を起こしている外耳道を綿棒などでこすってしまうと、耳道内を傷つけてしまったり汚れを中に押し込んでしまったりと悪化する可能性があります。
綿棒などで無理にお手入れはせず、動物病院で診察を受けましょう。
治療内容は炎症の程度・耳垢の量によって変わります。
炎症や耳垢がひどい場合は外耳道の洗浄に加えて、内服薬や外用薬の使用が必要となることもあります。
内服薬や外用薬を使うのが難しいという方には、注射や長期で効く塗り薬などの他の治療法もございますのでご相談ください。

 

外耳炎の予防は?

外耳炎になってしまう前に定期的に耳のお掃除をすることはとても大切です。
イヤークリーナーでコットンを濡らして、定期的に優しく耳介を拭くだけでも十分です。
綿棒を使用する際は、耳の奥に綿棒が入ってしまわないよう、耳の穴の入口までにしましょう。
外耳炎になると痒みに加えて、時に痛みを伴い、ワンちゃん・ネコちゃんからするととてもつらい病気です。
上記のような症状が見られたら、お気軽にご相談ください。