コジマ動物病院からのお知らせ
初夏こそ熱中症にご注意!
このページではコジマ動物病院からペットの健康情報や日常のお手入れ・季節によって気をつけること・よくある病気やその予防、また各病院の診療情報などについて定期的に情報をお届けいたします。
じめじめする梅雨は気温や湿度が上がったり下がったりするので人も動物も体調を崩しやすくなります。
今回はだんだんと暑くなってくるこの季節に気をつけて欲しい熱中症についてご案内いたします。
熱中症とは?
カラダが熱を下げることができなくなり、40.5℃(直腸温)を超える高熱・重度の脱水・多臓器機能障害といった症状を起こします。
重症化すると脳や腎臓などに後遺症が残る場合や死に至るケースも少なくありません。
ワンちゃんやネコちゃんは汗をかけないため、人より熱中症になりやすいのです。
どんな時になりやすいの?
・気温や湿度が高い日や風通しの悪い環境
・強い日差しのもとでのお散歩
・過度の運動
・興奮状態
・過度の保温
・長時間水分補給ができなかった時
・熱がこもりやすいキャリーバッグ等の中
・車内(エンジンを切った車内はもちろん、エアコンをつけていても夏場の日中車内温度は40.0℃を越えることもあり危険です)
だんだんと暑さや湿度が増してくる6月は普段の生活の中でも油断していると熱中症の危険性が高まります。
真夏に注意すればよいと思いがちですが、カラダがまだ暑さに慣れていない初夏にも多発するので十分注意してあげましょう。
こんな子たちは要注意!
・肥満
・高齢
・短頭種(パグ・フレンチブルドッグ・シーズー・ペキニーズ・エキゾチックショート(ロング)ヘア・ペルシャなど鼻が短い種類)
・大型犬
・暗色の被毛
・心臓や呼吸器の病気がある
どんな症状なの?
・ハアハアして呼吸が荒い
・ふらつく
・ぐったりしている
・いつもよりヨダレが多い
・嘔吐
・下痢
・脱水
・カラダが熱い
・粘膜の充血(一番わかりやすいのは唇の裏側や歯茎など)
症状が進行してくると
・呼吸困難
・チアノーゼ(舌の色が紫になる)
・発作などの神経症状
・吐血
・ショック
など重篤な状態に陥ります。
熱中症のワンちゃんの死亡率は25~50%というデータもあり迅速な対応が生死をわけます。
※ネコちゃんは体温調節が上手ですが熱中症になることもあるので油断しないようにしましょう。
熱中症かも?と思ったら
・部屋を涼しくする
・涼しい場所に移動する
・首や脇、後ろ足のつけ根(内股)など大きな血管が通っているところを保冷剤で冷やす
・動物病院へ連絡する(外出先の場合は近くの動物病院を探す)
・常温の流水でカラダを冷やす(冷水だと血管が収縮してしまい体温が下がりにくくなります)
・冷やしたタオルで全身を覆う(タオルがすぐに温まり逆効果になることもありますのでタオルの上から扇風機などで風を送り冷やす、こまめにタオルを取り換えるなどタオルが温まらない工夫をしましょう)
水を飲ませるのは有効な方法ですが一度に多量の水を飲むと誤嚥してしまったり、嘔吐してしまったりする可能性もあるので注意しましょう。
また、上手に体温調節ができなくなっているので冷やし過ぎにも注意しましょう。上記の方法で体温を少しでも下げながら迅速に動物病院へ向かいましょう。
症状が軽度の場合、応急処置で落ち着くこともありますが実際はカラダの中の臓器がダメージを受けていて時間が経ってから容体が急変することもあります。
症状が落ち着いていても念のため動物病院に問い合わせましょう。
熱中症をはじめ体調管理に気をつけてお過ごしください。