コジマ動物病院からのお知らせ

コジマ動物病院からのお知らせ

寄生虫予防について

このページでは、コジマ動物病院からペットの健康情報や日常のお手入れ・季節によって気をつけること・よくある病気やその予防、また各病院の診療情報などについて定期的に情報をお届けいたします。
気温が上がって暖かくなると、ワンちゃん・ネコちゃんへ悪影響を及ぼす寄生虫の活動も活発になります。 今月はノミ・マダニ・フィラリア症についてご紹介いたします。

マダニについて

マダニは多くの病原体を媒介します。
貧血や皮膚炎などの症状以外にも命にかかわる病気になる危険性も十分あります。
バベシア原虫を持ったマダニに吸血されることによって赤血球にバベシア原虫が寄生し、溶血性貧血を起こすバベシア症などです。
また、近年ではマダニによる人への被害も数多く報告されていて2013年には国内でマダニに咬まれたことによって発熱や血小板減少などを引き起こす重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や最近海外ではライム病などのニュースも数多く取り上げられています。
もしマダニに咬まれてしまったらカラダの一部が体内に残ってしまう可能性がありますので無理やり取らずに病院へ連れていきましょう。

ノミについて

ワンちゃん・ネコちゃんに寄生しているノミの中で最も一般的に検出されるのはネコノミ(ワンちゃんの92%以上、ネコちゃんの97%以上)です。
ノミの活動には至適環境があり、日本では夏から晩秋に活発に繁殖する傾向があります。
草むらなどの屋外からの寄生を主とし、ノミが寄生すると症状として刺咬部を中心に痒みを伴う発疹やノミの唾液が皮膚内に侵入することによって広範囲に痒みと皮膚症状を引き起こすノミアレルギーなど様々です。
また、ノミは瓜実条虫(サナダ虫)というお腹に寄生する内部寄生虫を持っておりワンちゃん・ネコちゃんがグルーミングをしてノミを食べてしまうとこの寄生虫に感染(瓜実条虫症)してしまいます。
瓜実条虫症は、通常無症状ですが濃厚感染で痩せてしまったり、下痢を起こすこともあります。
瓜実条虫が寄生すると肛門の周りに米粒のような形をした片節(寄生虫の一部)が付着することが特徴的です。ノミを介して人も感染することがあります。
ノミは一度寄生すると、快適な温度のおうちの中で大量に繁殖してしまう可能性があるので注意が必要です。

ノミ・マダニの予防期間

ノミ・マダニは一般的に気温が13℃以上になると活発に活動するので、暖かい時期はしっかりと予防をしましょう。ノミ・マダニは茂みや草むらに多く生息しているので、よくお散歩などで通るようであれば1年間通しての予防をお勧めしています。

ノミ・マダニの予防薬(駆除薬)

●スポットタイプ
月に1回皮膚に滴下する予防薬です。(ネコちゃん用もあります)
●チュアブルタイプ
ミートフレーバーになっていて簡単に投与できます。
月に1回経口投与するタイプと一度投薬すれば3ヶ月間予防できるタイプの2種類があります。

フィラリア症について

マダニは多くの病原体を媒介します。
フィラリア症とは蚊が媒介する寄生虫疾患です。
フィラリア症に感染した犬を吸血した蚊が他の犬を吸血することで蚊の中にいたフィラリアの幼虫が侵入します。
動物の体内で成虫となり心臓や肺動脈に寄生すると深刻な症状を引き起こすことになります。

フィラリア症に感染する動物

フィラリア症はワンちゃんだけでなく、ネコちゃん・フェレット・ウサギ・ネズミなどの小動物に感染することもあります。
ネコちゃんのフィラリア症はあまり知られていませんが、完全室内飼育でも発症例があります。

感染後の症状

軽症例から重症例まで様々で咳が出る・疲れやすい・呼吸が苦しくなる・血尿がでるなどの症状が現れます。
重症例では肺高血圧や右心不全、末期では腎臓や肝臓にも影響を及ぼすといわれています。
成虫寄生数や罹患期間により重症度が変わってくるので予防をしっかりとして感染を防ぐことが重要です。

フィラリア症の予防期間

蚊は大体気温が14℃以上で活動を始めます。
フィラリア症の予防は、蚊が活動しはじめた1ヶ月後から蚊が活動しなくなった時期の1ヶ月まで必要です。
また、蚊の発生が多い地域には通年予防をお勧めしています。

フィラリア症の予防薬

●スポットタイプ
月に1回皮膚に滴下するタイプの予防薬です。同時にノミや耳ダニも駆虫できます。(ネコちゃん用はマダニ駆除の効果があるものもあります。)
●チュアブルタイプ
月に1度の食べるタイプのお薬です。ミートフレーバーでおやつのように投薬ができます。
●錠剤タイプ
月に1度の飲むお薬です。小さいためごはんやおやつに混ぜることができます。
●注射タイプ
1年に1度の注射タイプです。病院によっては期間限定になりますので確認が必要です。
一度注射をすれば12ヶ月間予防ができるので、毎月投薬する必要がありません。

ノミ・マダニや蚊は室内飼育だからといっても油断は禁物です。
ワンちゃん・ネコちゃんそして飼い主様の身を守るためにもしっかりと予防をしていきましょう!