お客様 各位
株式会社コジマ
代表取締役会長 小島章義
日頃はペットの専門店コジマをご愛顧いただき誠にありがとうございます。代表取締役会長 小島章義
この誌をお借りいたしまして心から御礼申し上げます。
また、この度の「東日本大震災」にて被災されました多くの皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧復興を心よりお祈り申し上げます。
この度、株式会社コジマでは、4月より「東日本PET緊急救援チーム」を立ち上げ、震災地にてペット救援のご支援をいたしております。
救援活動当初は、一民間のボランティアとして、現地にて懸命に活動されている皆様のお手伝いをさせていただいておりましたので、社名等は控え、ホームページにも記載せず救援に取り組ませていただきましたが、震災より3ヶ月経過した現在、未だ進展のない「人とペット」の問題を抱えている現地での様子を、当ホームページをご覧いただいております皆様にご理解いただきたく記載させていただくことにいたしました。
3月下旬、「三陸地域でのペットの現状」の説明会に出席させていただき、すでに現地で活躍されている獣医師の先生よりご説明を受けました。 ライフラインも閉ざされた中、宮城県石巻市で地域の獣医師の先生方、東京からボランティアで駆けつけられた獣医師の先生方が「石巻地区動物救護センター」を立ち上げられたとの説明を受け、急遽ご訪問させていただくことにしました。
訪問メンバーは、私、以下獣医師、設備担当、ドッグトレーナー、情報システム担当等、それぞれのプロフェッショナルを同行させました。
ライフラインも閉ざされた中、現地の先生方やボランティアの方々により、浄水場の敷地にシェルターが立ち上がっておりました。 物資も手に入らない状況でしたので、仮設テント、プレハブハウス、電力は発電機を使用し、その中で救援活動をされておりました。 決して環境がいいとは言えない状況下ではありましたが、1人1人の先生、ボランティアの方々が懸命に救援活動にあたっておりました。
私たちにできることからご支援しようと決め、東京に戻り、飼育環境の改善のための設備資材を集め、トラック2台、プロ職人の方にご同行いただき、石巻に入りました。
当時は気温も5℃と大変寒く、お預かりしている子たちのためにも、一刻も早く環境整備をと、ペットたちのお世話よりも土建業に徹してまいりました。また、ボランティアの方々も何週に渡りお風呂に入れない状況でしたので、名古屋より仮設シャワーを運び、4週に渡って環境整備のお手伝いをさせていただきました。
不慣れな作業ではありましたが、毎日毎日ペットをお預けにくる被災者の方々や現場で働く先生方、ボランティアの方々に少しでもいい環境をご提供できたかもしれません。
ゴールデンウイークにお伺いした時には、当初10名にも満たなかったボランティアの方が80名を超え、また設備面でも、洗濯機やトリミング施設等、大変充実された施設になっておりました。これも開設からご苦労された地元の先生方や、東京からいち早く救援に向かわれた先生方の熱意の結晶でしょう。
これからも引き続きご支援してまいりたいと思います。
この3ヶ月、青森、岩手、宮城、福島と各被災地をまわり、避難所で未だご苦労されている方々の中には、車内でペットを飼われている方、ペットと離れ離れで暮らさざるを得ない方々がたくさんいらっしゃいました。
私は当初、震災にあたり、被災した子たちの保護をすることが急務であり、ペットオーナーの負担を軽減してあげるには、ペットシェルターやドッグフォレストペットケアセンター(伊豆高原)で保護してあげることが最良の支援だと考えていました。そのためには環境の良い施設を運営し、いつでも保護、お預かりできる体制を造ることが急務だと考えていました。
今回、避難所の方々、石巻地区動物救護センターに連れてくる方々のお話しをお聞きすることができ、今何が被災した子たちのためになるのか、ペットオーナーは何を望まれているのかを、身にしみて考えさせられました。
ペットオーナーもペットたちも離れて暮らしたくはないのです。どんな悪環境でも一緒に暮らしていたいのです。被災した子たちを保護することがその子たちのため、預かる施設を造ることがペットオーナーのためではなく、避難所で暮らされている方々、または仮設住宅に入られた方々が、いつも身近で一緒に暮らせる環境を造って差し上げることが最良のご支援になるのです。
避難所または仮設住宅にペットたちが寝泊りできる施設を造り、そこで自分たちで世話をしてあげる。預けるにしても毎日会いに行ける場所にシェルターを造り、自由に散歩や行動を共にする時間を与えて差し上げることが、本当の意味のご支援だと思いました。
福島県では、原発という他県とは異なる問題を抱えております。被災したペットたちを思い、ボランティアの方々がペットの保護活動をしております。家族と離れて暮らす飼い主の方々は、未だ自分たちの子を探しております。
ドッグフォレストペットケアセンター(伊豆高原)でも、20数頭の飼い主の見つからない子たちをお預かりしております。
先日、2匹の子たちの飼い主様が再会され、本当に喜んでいらっしゃいました。
1日でも早く再会できるよう私たちの力で努力していきたいと思います。
ペットたちのボランティアと人間のボランティアはまったく違います。
人間のボランティアは炊き出しや物資の配給などが主です。ボランティアが毎日入れ替わっても、多少食事の味が違うくらいで、食べられないことはありません。物資にしてもお渡しすれば自分で使えます。
ペットたちの場合は介護医療になります。人間で言えば介護ホームや病院にあたるのです。ご飯にしても、お風呂にしても、掃除にしても私たち人間がお世話をしてあげなければ何もできません。ボランティアが毎日変わっては、その子の状態も把握できないし、精神的な負担を与えてしまいます。
仕方なく預けなければならない方や、飼い主が見つからない子もたくさんいますが、その子たちをケアする人は常駐できる方が望ましいのです。
環境が悪いため予定を切り上げて帰ってしまうボランティアもたくさんいます。
そのためにはボランティアをケアする環境造りも急務だと思いました。
お風呂にも入れない、テントで寝泊り、食事も自前…1週間は持つかもしれませんが、1ヶ月は無理でしょう。
現地での採用や長期のボランティアには最低限の環境は与えてあげる必要があります。
これから私たちコジマは「東日本PET緊急救援チーム」としてご賛同していただける方々と共に、今までの経験を生かし、少しでも被災されました方々とペットたちが幸せに暮らせますよう活動させていただきたいと思います。
「人間」も「ペット」も同じ「命」です。お互いに助け合って生きています。
当ホームページをご覧いただきました皆様がご理解いただけますよう心からお願い申し上げます。