にゃんこクイズ1はどうでしたか?
2からは、猫種のクイズも出していきます
ますます、マニアックに火が付いたクイズをお楽しみください
①原産国エチオピアのアビシニアンと原産国イギリスのソマリは遺伝子上どこが違うでしょう?
②ロシアンブルーの原産国がロシアではなくイギリスなのは、なぜでしょう?
③ヒマラヤンの原産国は2ヶ所あります。なぜでしょう?
④猫アレルギーが出にくいと言われている猫種のサイベリアンだが、なぜ出にくいのでしょう?
⑤マンチカンの繁殖で、日本では短足同士の交配は禁止していますが、原産国のアメリカでは禁止していません。
なぜでしょうか?
⑥猫が「カカカ・・・」や「ニャニャニャ・・・」など短く繰り返す特殊な鳴き方を「クラッキング」といいます。
では「クラッキング」はどのような時に出る鳴き方でしょう?
⑦「マンクス」、「キムリック」のランピーを購入する際に、必ず確認した方がよいとされる事は、なんでしょう?
⑧猫に適した水はなんでしょう?1~5でそれぞれ正しいものを選んでください。
1.猫3kgに対して1日の摂取量 a:50ml 、 b:120ml 、 c:190ml
2.水の硬度: d:60mg/L以下 、 e:60~120mg/L 、 f:120~180mg/L 、 g:180mg/L以上
3.水のPH値: h:PH1~7(酸性) 、 i:PH7(中性) 、 j:PH7~14(アルカリ性)
4.ミネラル含有量: k:少ない 、 l:ほどほど 、 m:多い
5.与える水: n:水道水 、 o:浄水器 、 p:煮沸水 、 q:国産水「いろはす」
⑨猫種の中でも最も食べるのが下手と言われているペルシャ。短頭種ゆえに餌をこぼしやすいのだが、ペルシャの独特な食べ方も原因と思われる。その独特な食べ方とはどのような食べ方でしょう?
⑩猫の歯についての問題です。
1.猫の歯は子猫の時は26本。では、成猫は何本?
2.乳歯は生後2か月くらいまでに生えそろいますが、永久歯は何か月くらいまでに生えそろう?
3.犬と猫、どちらが虫歯になりやすいでしょう?
4.猫が歯ぎしりをする時の原因は何が考えられますか?
⑪猫の首をつまむと大人しくなるのはなぜでしょう?
⑫猫のあごの周りにできる黒いザラザラしたものは一般的に何と言われているものでしょう?
⑬人間の指紋の様に、猫の個体識別ができる箇所はどこでしょうか?
⑭餌に砂をかけるようなしぐさは、どのような理由が考えられるでしょうか?
⑮水に砂をかけるようなしぐさは、どのような理由が考えられるでしょうか?
⑯『猫の座り方』の名前をそれぞれお答えください。
A. B.
C.
D.
E.
F.
G.
⑰a~hの猫種のそれぞれの特徴は生まれたばかりで「ある」でしょうか?
また、「ない」場合は、どのくらいの日数で出てくるでしょうか?
a. b.
c.
d.
e. f.
g.
h.
a.「スコティッシュ・フォールド」の耳
b.「アメリカン・カール」の耳
c.「ラ・パーマ」の毛質
d.「セルカーク・レックス」の毛質
e.「ラグドール」のカラー
f.「トンキニーズ」のカラー
g.「マンチカン」の足
h.「ジャパニーズ・ボブテイル」の尾
⑱猫パンチには、どのような意味があるか、全て答えてください。
⑲猫の避妊去勢は、生後の早期と晩期では、どちらが「太りやすい」でしょうか?
⑳家で飼われている室内猫の換毛期はいつでしょうか?
㉑猫の血液型は、A型、B型、AB型の3種類です。
「A型」が血液型の90%を締めていますが、なぜそうなったのででしょうか?
㉒この別名は、何の猫でしょう?
1.「ドレインキャット」「小さな妖精」
2.「マウサー」
3.「フランスの宝」「生きたフランスの記念碑」「微笑みの猫」
4.「ウィージー」
5.「カナディアンへアレスキャット」
6.「プードルキャット」「小さな妖精」「猫の妖精」「エイリアンキャット」
7.「猫界のスーパーカー」
8.「猫界のピーターパン」
9.「コブラヘッド」
10.「穏やかな巨人(ジェントルジャイアント)」
11.「ふくろう」「テディベア」「帽子をかぶった猫」
12.「ジプシーシャグ」
13.「奇跡の猫」
14.「レパードキャット」
㉓ラグドールの生みの親「アン・ベーカー」がラグドールを誕生させるために掛け合わせた猫は何でしょう?
全ての猫を答えてください。
㉔猫のルール
どんな意味でしょうか?
1.目を見ながら瞬きをする。
2.目が合わないよう視線を逸らす。
3.相手の方に向かって欠伸をする。
4.外の縄張りで見知らぬ猫に会った時。
5.ケンカをした時の勝敗。
6.相手より高いところにいる。
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①遺伝子上の違いはない
1976年、長毛アビシニアン、4匹を対象に大々的な血統分析を行い、全てアビシニアンの遺伝子のみであったと証明しました。
この分析結果はアメリカのソマリキャットクラブから「Genesis(創世記)」と呼ばれています。
近年の遺伝子解析による研究から、ソマリの長毛は突然変異であったことがわかっています。
遺伝子的にも同じとされたため性格や運動量、寿命や大きさなど違いは一切ないとされています。
ソマリはアビシニアンの中でもかなり稀な長毛、しかも劣性遺伝子のロング・アビシニアンと呼ばれる猫でした。
その数を増やすにあたって過去のブリーダーたちは数少ない中で繁殖を繰り返さずにはいられず近親交配も当たり前でした。
そのため、ソマリは今も数を増やす為、血を薄くするためにアビシニアンとの交配が承認されています。
②イギリスから連れてこられたときは「アークエンジェルキャット」と呼ばれており、イギリスで「ロシアンブルー」として血統登録された。
また、第2次世界大戦で絶滅の危機に瀕した際にブリティッシュ・ショートヘアと交配し数は増えたもののぽっちゃり体系になってきてしまったため、イギリスのロシアンブルーと交配し元の体型に戻した経緯があるため。
ロシアンブルーは、ロシアで自然発生した猫種と考えられており「アルハンゲルキャット(英アークエンジェルキャット)」やフォーリンブルー、スパニッシュキャット、マルティーズキャットなど様々な呼名がありました。
1860年頃にロシアの商船に乗ってイギリスに来たとされています。
1900年代にイギリスで「ロシアンブルー」として登録されました。
第二次大戦によって数が減り、窮余の策としてシャムとブリティッシュ・ブルー(ブリティッシュ・ショートヘア)やその他のブルーの猫との交配が行われ、体型がややぽっちゃり型になってしまい人気が低迷。
その後、スカンジナビア半島とイギリスにいたロシアンブルーの血を混ぜて元のスリムな体型を取り戻し、人気を回復しました。
ロシアンブルーは、ブルーのカラーしかない猫種として、3大ブルー(他コラット、シャルトリュー)に入っていますが、オーストラリアだけ承認しているカラーで、ブラックやホワイト、ポイントカラーのロシアンブルーがいます。
第2次世界大戦のときの交配が原因ではないかと思われます。
③初めは、スウェーデンで研究されていたがうまくいかず、その後、北アメリカとイギリスに研究が受け継がれたため。
アメリカでは、1935年に遺伝子学者のコップ女史がハーバード大学の協力もあり、ポインテッドの特性を持ちつつ、ペルシャの面影を残すヒマラヤンの原型となる長毛種の誕生に成功し、『デビュタント』と名づけられた。
イギリスでは、1938年イギリスのウェップ氏がシャムとペルシャのハイブリット猫を誕生させ、『クメール』と名付けた。
④他の猫種に比べ、アレルギーの原因となるタンパク質が少ないため。
8種類のタンパク質がアレルゲンとされています。これらは猫の皮屑(毛や皮膚片)や唾液、尿などに含まれており、家の中のカーペットや装飾品に付着するほか、微粒子に付着して、長期間空気中を漂います。
犬と猫のアレルギーの患者は年々増え、世界人口の推定10%~20%がアレルギーを持っています。
2000年、アメリカの非営利団体によるアレルゲンのタンパク質(Feld1)を測定したデータによると、ミックスが2001、アビシニアンが385サイベリアンは206という数値が出ています。
また、アレルゲンの産生量を調べた1994年の海外での研究結果によると、メスよりオスの方が多く、去勢オスではメスと同程度と出ています。長毛種と短毛腫で産生量に差はありませんでした。
体を洗うことでFel d1を一時的に減少できますが、2日後には元に戻ってしまいました。
また環境中のFel d 1のレベルは24時間以内に回復するようです。
【サイベリアンのアレルゲン実験】イタリア:トリノ大学獣医科学チーム
サイベリアン4匹、他種35匹を集め、アレルゲン・タンパク質「Fel d1」の量を比較。
3匹のサイベリアンの「Fel d1」濃度は1.5μg/ mL以上でしたが、1匹のサイベリアンは0.5μg/ mL未満と他の猫の1/3の濃度だったと発表しています。
サイベリアン特有の遺伝子変異がタンパク質の構造を変化、結果:アレルゲンである「Fel d1」の機能を変化させているかもしれないとの可能性に行きついています。
4匹中1匹だけアレルゲン(Fel d1)の数値が大幅に低かっただけですが、他の品種に比べるとアレルギー症状は出にくいと判断できそうです。
サイベリアンは、他の猫に比べてアレルゲンが少ないというだけで0ではないので全くアレルギーが出ないという訳ではありません。
【その他のアレルゲンの少ない猫】
バリニーズ、コーニッシュ・レックス、デボンレックス、スフィンクスなど
海外で行われた測定では、較的アレルゲンの少ない猫種。
ただし、アレルゲン量には個体差があり、日本の測定結果も一致するかは不明です。
雑誌「Toxics」(2023年8月21日)より
――光触媒で溶液と乾燥状態のイヌアレルゲンとネコアレルゲンの分解に成功――
酸化チタン型光触媒によってイヌアレルゲンとネコアレルゲンを分解し、抑制できることを世界で初めて証明。
※酸化チタンは、光(紫外線)エネルギーを受けると活性を帯び、強い酸化作用を発揮する物質。
⑤日本人は完璧を求めるあまり、より足の短い個体を生み出そうとしてしまい、奇形のマンチカンを作ってしまう為、短い足同士の交配を禁止している。
アメリカでは、その心配が少ない為、短足同士の交配を禁止していない。
マンチカンの短足遺伝子は他の特徴を表す優性遺伝子と違い、短足遺伝子同士を掛け合わせると更に短足になる。
つまり表現型遺伝子の為、身体の特徴として影響してしまう。
短足同士を掛け合わせればより短い足の子が生まれ、短足と長足を掛け合わせれば中足が生まれる。
その為、足の長さの安定がマンチカン同士ではできないため、現在も足の短さは安定できていない。
⑥・虫や鳥、おもちゃなど取りたいという気持ちが強くなり興奮が高まった時。
・不安や警戒心が高まり、それを周りに伝えようとした時。
小さな音で発するのが特徴のクラッキング。
口を小刻みに開閉し、ひげを震わせながら発します。
名前の由来は、「カタカタ、カチカチ音を立てる」という意味の「clak(クラック)」からきています。
英語では、「chatter(おしゃべりをする)」から「chatteling(チャタリング)」とも呼ばれ、音を出さずに顎の動きだけで「カカカッ」という音を出す行動のことを指します。
「chirping(チャーピング)」と呼ばれる動作もあり、細かく口を動かしながら甲高く短い声を出します。
これらの行動を一連の流れで交互に行うこともあるそうです。
他にも「chirping」の音が小さい鳴き声を「weeting(ウィーティング)」、長い鳴き声だと「tweedling(ツイードリング)」という事もありますが、日本ではまとめて「クラッキング」と呼んでいます。
行う理由として考えられているのは、
①狩猟本能:窓から見える鳥や虫などを見て、興奮した時
②欲求不満:届かない獲物に、欲求不満を表している時
③代行行為:獲物を捕らえられない代わりの動作
クラッキングは、狩猟本能から反応して発せられることが多く、窓から外を眺めていて虫などを見つけたときや、おもちゃで遊んでいるときに、捕まえたいのに捕まえられないもどかしさがあるとき、無意識に出てしまっている時があります。
クラッキングは野生の猫や野良猫、自然発生した猫種などは行うことがほとんどありません。
野生化で行えば、獲物に気づかれ逃げられてしまうので行わない理由は分かりますが、イエネコ独自の行動として、どのように広まっていったのかはまだ分かっていません。
クラッキングを飼主にする場合は、不満やストレスを訴えてるサインの可能性があるので、原因を探ってみた方が良いかもしれません。
⑦親のしっぽが無い、ランピー同士の交配ではないかどうか。
マンクス、キムリックで尾無しを「ランピー」と呼びます。
他にも、わずかな尾があれば「スタンピー」、短くともしっかり尾があれば「ロンギー」と呼びます。
マンクス、キムリックの尾無し遺伝子は致死遺伝子で、両親が尾無しの場合、死産の可能性が極めて高く、無事生まれても数ヶ月で「マンクス症候群」を発症する可能性が高く、短命と考えられています。
「マンクス症候群」は遺伝性の疾患で治癒は出来ず、脊椎の奇形や脊髄の異常により様々な障害が引き起こされます。
症状として、仙骨の無形成や異形成、仙髄(脊髄の下の方)の欠損、脊髄破裂、繋留脊髄、硬膜内脂肪腫、鎖肛(肛門の欠落)、後肢の麻痺や不全麻痺、失禁や排便障害などがあります。
⑧猫に適した水は、
1.c:190ml
2.d:60mg/L以下
3.i:PH7(中性)
4.k;少ない
5.o:浄水器
イエネコの祖先の「リビアヤマネコ」は砂漠地帯に生息していた為、水分摂取量が少なくても平気なように腎臓の機能が発達していったようです。そのため、積極的に水分をとらない猫がいます。
しかし、水分摂取量の低下は、濃縮された尿を排出することで、腎臓に多大な負担をかけてしまいます。
水分不足は「猫下部尿路疾患」である、「膀胱炎」、「尿石症」、「慢性腎不全」を起こしやすくなります。
猫の1日に必要な水分量は、「体重1kgに対して約30~50ml」と言われており、
環境省では、「体重3kgに対して約190ml」が必要だと考えています。
※環境省「飼主のためのペットフード・ガイドライン」参照
「水の硬度」とは、水1リットルあたりに含まれるカルシウムとマグネシウムの量で表します。
国によって違う「硬度の計算方法」ですが、日本はカルシウムイオンとマグネシウムイオンを、炭酸カルシウム量に換算して算出します。
WHO(世界保健機関)が定義している軟水・硬水の分類は、
60mg/L以下(軟水)、60~120mg/L(中軟水)、120~180mg/L(硬水)、180mg/L以上(超硬水)
ミネラルの過剰摂取は尿路結石などの疾患につながります。硬度の低い軟水(60mg/L以下の水)を与えて下さい。
pHとは、水中に溶け込んだ水素イオンの濃度のことで、アルカリ性でも、酸性でも尿石ができやすくなるため、
pH値が中性に近い水がよいです。
水に含まれるミネラルの種類は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムが挙げられます。
過剰摂取は腎臓病など原因になるので、食事でミネラルを摂取し、水分では低い方がよいです。
日本の水道水は、塩素消毒により殺菌されており、飲み水としても室内に置いておくにも優秀です。
東京大学 教養学部附属教養教育高度化機構・堀まゆみ教授の論文には、
日本の水道水の硬度の平均値と中央値は、それぞれ 48.9 ± 25.8 (1σ SD) 46.0 mg/L でした。
しかし地域によっては硬度60mg/L以上の高い数値も見られます。
※井戸水をくみ上げている場合は硬度が高くなる傾向にあるので注意。
【猫の水に適さない硬度が高い県ワースト5】
1位:千葉県83.4mg/L 2位:埼玉県82.8 3位:熊本県72.2 4位:沖縄県68.1 5位:東京都65.8mg/L
※「日本の水道水の硬度とその分布状況の監視による調査」参照
浄水器は、水に含まれた不純物の減少、塩素を除去などの効果があります。
ミネラルを添加する浄水器(整水器)もあるためので注意。
また、塩素を除去すると殺菌力がなくなるので、時間経過とともに雑菌が湧くので注意。
人間用ミネラルウォーターでは、軟水であれば問題はありませんが、同じブランドのミネラルウォーターでも、
採水地によって硬度が異なるため注意。
【「いろはす」の採水地ミネラル表】
採水地 | 硬度 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム |
清田 | 31.8 | 0.69mg | 0.16mg | 0.68mg | 0.36mg |
奥羽山脈 | 27 | 1.0mg | 0.07mg | 0.4mg | 0.4mg |
砺波 | 27.7 | 0.86mg | 0.06mg | 0.83mg | 0.17mg |
白州 | 27 | 1.1mg | 0.09mg | 0.72mg | 0.23mg |
大山 | 40.3 | 1.1mg | 0.46mg | 0.71mg | 0.55mg |
阿蘇 | 71.1 | 2.7mg | 0.7mg | 1.2mg | 1.0mg |
えびの | 33 | 1.2mg | 0.23mg | 0.9mg | 0.24mg |
※「おいしい水の秘密 い・ろ・は・す 全国7か所の採水地の取り組み」参照
熊本県の阿蘇の天然水は、硬度71.1。猫にはあまり適しません。
国産のミネラルウォーターでも軟水とは限らないので注意。
海外のミネラルウォーターには、高硬度の硬水が多いので与えないでください。
ウォーターサーバーも必ず水の成分を確認しましょう。
⑨舌の裏にフードを付けて口に運ぶ
⑩猫の歯に関する問題の答えです。
1.永久歯30本
乳歯には、犬歯、切歯、前臼歯がありますが、後臼歯はありません。
生え変わるときに、後臼歯が生えて、成猫の歯は全部で30本となります。
2.生後6か月くらい
乳歯が生えるのは、生後3週間~2ヵ月くらいまでに上下の歯が生え揃います。
生後3ヵ月~6ヵ月くらいまでに全ての永久歯が生え揃います。
犬の様に乳歯が抜けずに永久歯が生えることはない。
3.犬
猫には虫歯はみられません。歯の形状的に虫歯菌が付着しにくいことが要因と考えられます。
犬にはまれに虫歯が発生するケースがあります。その原因ははっきり分かっていませんが、猫と違い雑食性なため、色々なものを食べれるため、人間の食べたものを食べたり飲んだり、口をなめたりしているからかもしれません。
4.癖や口の中が不快な場合。
「シャリシャリ」「シャクシャク」という音で、歯をこすり合わせる音。
「カチカチ」「カリカリ」という音で、上下の歯を軽くぶつける。「タッピング」ともいう。
・ 乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、乳歯がぐらついている
・噛み合わせが悪い
・食べ物の残りカスが歯に詰まっている
・歯周病がある
・口内炎がある
などが考えられる。
⑪親猫が子猫を持ち運ぶ時、首の後ろをくわえて持ち上げるので、大人になってもそれが残っている。
【実験】(2007年実施)
成猫の首根っこにクリップを取り付けて様子を観察した
『結果』
対象となった猫(31匹)の大半が鎮静状態(受け身状態)になった。
瞳孔の拡張や心拍数、呼吸数の増加(恐怖反応)は見られず、死んだふりでもないことが確認。
以上のことから、ねこの首の後ろをつまむと、苦痛を与えることなく動きを抑制できる可能性が高いと考えられる。
この現象は「PIBI(Pinch Induced Behavioral Inhibition):略してピビ」(つまみ誘発性行動抑制)と呼ばれる行動抑制によるもので、首根っこを掴まれることでリラックス状態(鎮静状態)となります。
「首をつかみ持ち上げる行為」
首をつまんで持ち上げられるは、生後5~6か月程度まで。
体重が増えると、つままれた場所への負荷も増え、首周囲の血管を損傷させてしまう可能性もあります。
「首のつまみ方」
猫の首の皮と肉だけをつかむようにしましょう。
猫のお尻に手を回し、首にかかる体重は全体重の5分の1以下にしましょう。
長時間つまんだままは止めてください。
触られるのが苦手な猫は行わないようにしましょう。
【ネックグリップ】
猫の交尾行動で、オス猫がメス猫の首を噛む行為。
メス猫が交尾中に静かになることを目的として首を噛む。
【スクラッフィング(scruffing)】
虐待につながる行為で、猫の首根っこを掴んで無理に持ち上げたり、ゆすぶったりする行為。
首周りの器官を損傷する恐れがあります。
※スクラッフィングは、PIBIとは全く別物で他の動物でも使われる言葉です。
⑫猫ニキビ 場合によってはノミ糞
猫ニキビと呼ばれる吹き出物は、下顎の唇に近い側にできます。
【軽度】
触ると少しざらつきを感じる黒っぽいブツブツがあり、無症状で、腫れや痒みもほとんどありません。
【中度】
範囲も広がり、炎症で赤く腫れたり、顎を気にするようになります。
炎症はひどくなると、皮膚が固くなってきます。
【重度】
細菌感染で化膿します。赤みや腫れ、痒みが増し痛みのため、触るのを嫌がります。
脱毛など状態が更に悪化していきます。
※ノミの糞は、ウェットティッシュで取ると赤いしみが広がります。顎ニキビの黒い粒は赤くなりません。
【原因】
感染、アレルギー、肥満、お口周りの汚れ、ストレス、お手入れ不足、ニキビダニなどにより、
顎や口周辺にある分泌腺に分泌物がたまり炎症を起こすことです。
・感染
食べかすや水など、口の周りが不衛生な状態になっていて、お手入れが行き届かない状態でいると、口の中の細菌が付着しやがて感染します。
食器に傷が出来ていたり、洗っていないと細菌やカビが発生し感染の原因になる場合があります。
・アレルギー
日頃使用する食器が、プラスチックや金属製の場合、接触性アレルギーを起こすことがあります。
・ストレス
環境の変化などで、ストレスがかかると抵抗力が落ち、体調が悪化しできることがあります。
・肥満
太りすぎると、吹き出物ができやすくなります。
お手入れもしっかりできず不衛生になりやすいです。
・ニキビダニ
ニキビダニは毛包(被毛の根本)に生息するダニで、常在している寄生虫です。
健康な状態では積極的に悪さをするものではなく、ほとんど症状はありません。
ストレスがかかったり、ほかの病気で体調不良が起こった際に、毛包の中で爆発的に増えて脱毛が起こります。
通常、違和感はないようですが細菌感染などが起こってしまうと痒くなり、掻いたりこすりつけて状態が悪くなってしまいます。
【危険な行為】
・人間のニキビ用市販薬
人間のニキビとは全く別物なので絶対に使わないように。
・ゴシゴシ擦る
こすると刺激になりかえって腫れてしまい悪化させます。
歯ブラシなどを使うと傷になり、細菌感染の原因になります。
・アルコールなど、刺激の強いもので拭く
腫れたり、傷がある場合、刺激が強いと激しく痛がります。
更に掻いて悪化する恐れがあります。
軽く拭く程度でとれるものはお手入れやその他のケアでよいと思いますが、痒み、発赤、脱毛、腫れがある場合は、動物病院で診てもらうのがよいでしょう。
⑬鼻紋(びもん)
「鼻紋」とは、猫の鼻の形です。猫の鼻はよく見ると、細かいつぶつぶとした凹凸が刻まれています。
個体ごとに違い、一つとして同じ形はありません。
猫の肉球はつるつるとしているため指紋のようなものは無く、鼻紋が個体識別に活用できます。
鼻紋に関する論文
『Locality Constrained Sparse Representation for Cat Recognition』YC Chen 著 (2016)
動物の個体識別には、鼻の形=鼻紋が使われることがあります。
鼻孔、鼻唇溝、鼻紋という細かな構造の組み合わせは、ひとつとして同じ鼻にはなりません。
国立台湾科学技術大学研究チームは、ネコの鼻紋で個体識別のデータベースを作成しました。
70匹のネコの鼻をフォーカスした写真を角度をかえつつ1匹10枚、計700枚撮影しました。
写真をモノクロに加工。画像を複数の小さい画像に処理し、AIに鼻の形のパターンを学習させ、鼻の写真からどのネコかを判別させました。
【日本】
株式会社NGA ペット総合アプリ『Pet』、日本初の「鼻紋認証」機能を実装。
アレックス・ワンCEOは、
「ペットを飼ってる人も飼ってない人も、人と動物が幸せに暮らせる社会を願う全ての人に知ってほしい」と話しています。
『Pet』の登録方法
【中国】
鼻紋活用の研究やサービス運用を、オンライン決済基盤「Alipay」の螞蟻集団(アントグループ)がすすめています。
ペット保険も扱っており、ペットの鼻紋と情報を登録し、保険金請求は鼻紋で認証するだけで手続きが完了します。
迷子の際は、名前や写真、見失った場所や時間、連絡方法を登録。保護後、鼻紋の写真を送り、照会後に飼主へ連絡。
アントグループは1日平均5000件の鼻紋を機械学習させています。
動くことを想定し、短時間で鮮明に撮影できる専用カメラも開発。
猫は犬よりも鼻が小さいため、品種や毛色、目など複数の要素を活用しています。
【湖南省長沙市】
深セン市悦保科技が開発、長沙市専用アプリ。
鼻紋、全身写真認証システムで「マイクロチップ不要で別途設備を必要としない」。
ペット同伴イベントで、入場時に鼻紋認証を活用するケースもあります。
⑭隠す行為
野生下では、食べきれない場合、数日にわたって食べるため、食物を隠す行動をとります。
住む場所によって隠し場所は、やぶや木の葉、雪、木の上など様々です。
それは、野生ではなくなっても本能として遺伝子に刻まれています。
・餌を残した時
・お腹が空いていない時
・餌の匂いが残っている時
・場所や器、餌など気に入らないものがある時
餌が気に入らない理由には、食べたことがない、匂いが嫌、餌が古くなっている、傷んでいる、美味しくないなどが上げられます。
隠す行為には、「後で食べるために隠す」と「臭いも嫌なので無くすために隠す」の2種類あります。
野生の猫にはない行為として、飼主とのコミュニケーションツールとして行っている場合があります。
・餌がない時に、エサ皿を掻く
・食べたい餌ではなかった時、餌を掻いた後、飼主を見て鳴く など
⑮隠す行為、ヒゲが水や器に触れるのが嫌、遊びたい衝動、位置の確認 など
『隠す行為』
色々な理由が考えられます。
水が古くなって臭い、もしくはカルキなどキライな臭いがするため
水に毛やゴミが浮いていて嫌
『ヒゲが水や器に触れるのが嫌』
猫のヒげはとても大事なセンサーの役割を持っており、水に濡れたままにすることを嫌がります。
『遊びたい衝動』
水で遊ぶのが好きな猫もおり、遊んでいるつもりなのかもしれません。
『位置の確認』
飲みながら掻く行為をすることから、透明で見にくい水の表面を波立たせることで飲む位置を確認しているのかもしれません。
水は餌とは違い、後のために隠しておく必要がないため、隠す理由は無くすためになります。
しかし、飲みながらの行為は隠すには当てはまらないため、水自体ではなく水に浮く毛やゴミ、古くなった水の臭いなどに反応して嫌がっているサインかもしれません。
⑯『猫の座り方』答え
A.香箱座り (香箱:香を入れる漆や陶器でできた蓋付の箱)
→リラックスしている・眠い・寒い・具合が悪い など
伏せのような姿勢で前足と後足を折り畳み、自分の体の下にしまい込む座り方。
名前の由来は、上から見ると四角い香箱に似ていることから。
英語圏ではカットしていない食パンに似ていることから「catloaf(キャットローフ)」(1斤の猫パン)といいます。犬やうさぎ、ヤギ、ライオン、トラなど他の動物でも見られます。
B.スコ座り (別名:おっさん座り、おじさん座り)
→リラックスしている・信頼している・足や関節に痛みを感じている など
お尻を床につけ背中を丸め、お腹丸出しにし後ろ足を前方へ投げ出すような姿勢。
スコティッシュ・フォールドによく見られるため、そう呼ばれるようになりました。
他の猫種でもこの体勢をすることがあります。
C.スフィンクス座り
→ややリラックスしている・やや緊張している・やや警戒している など
後ろ足を体の下にしまい前足を突き出した形で、いつでも動けるような姿勢でいます。
ただし、体格が良い猫や体調の理由から香箱座りがイヤで、この座り方になる子もいます。
エジプトのスフィンクス像が由来で、胸を張っているポーズが似ていることから名付けられました。
お腹を床につけているので比較的落ち着いている状態といえますが、横座りや香箱座りに比べるとリラックス度はあまり高くありません。後ろ足・前足共に何かあればすぐに立ち上がれる状態をキープしていることから、完全なオフモードではなくやや緊張気味といえます。
D.エジプト座り
→少し緊張している・少し警戒している・次の行動のことを考えている・何かを要求している など
旅館の女将が三つ指をついている姿に似ていることから三つ指座りとも呼ばれます。
上半身を起こして、前足を揃えた形で、犬のお座りに近い姿勢です。
エジプトの神話に出てくる女神「パステト」の像が由来とされています。
なぜ「バステト座り」でないのかは不明です。
野良猫によく見られる姿勢で、多少警戒心を抱いているとされています。
E.横座り
→リラックスしている・ややリラックスしている・眠い など
体を起こした姿勢だと、女の子座りとも呼ばれます。
横向きに寝転んで、前足を横に出している座り方です。
前足を少し立てている時はやや警戒しており、地面にペタッとしている時は寝てしまうこともあるなど警戒心は薄いと考えられています。
人間の「女の子座り(お姉さん座り)」に似ていて、後ろ足の力を抜いて横に流しているのが特徴です。
F.しっぽ巻き座り
→緊張・警戒・危険を感じている・汚れたり濡れたくない・防寒のため など
別名しっぽマフラーとも呼ばれています。
エジプト座りで、しっぽを体に巻きつけた状態。
初めて出会う人や動物、物などに警戒し、隙を見せないようにできるだけ安全な姿勢を保っている状態と考えられます。
不安や警戒をしているときは、猫の表情は周囲の情報をキャッチするためにひげを広げ、イカ耳になっています。
しっぽが汚れるのを嫌い体に巻きつけていたり、防寒としてしっぽを巻きつけていることもあります。
※『イカ耳』:猫が耳をピンと張った状態で外に向けるしぐさのこと。
由来は、シルエットがイカのように見えることから。
警戒状態、 イライラしている時になり、耳を外に向け多方向の音を聞き取れるようにしています。
G.体育座り
エジプト座りで、前足を開き やや前傾姿勢で膝を立てたような状態。
どのような状態から、体育座りをするのか理由ははっきりしていません。
「グルーミングをしている途中で止めてしまった」「立とうとして止めてしまった」「体型的な理由」「ただ単にこの姿勢が落ち着くから」など、様々な意見があります。
⑰赤ちゃんの生まれた状態
a.「スコティッシュ・フォールド」の耳
生まれてすぐは立ち耳で、生後2週間~1ヶ月ほどで垂れ耳になります。
その時期に耳が折れなかった子は、立ち耳のままです。
(耳が折れる確率は30%程度)
b.「アメリカン・カール」の耳
生まれてすぐは立ち耳で、生後1週間程度から後方にゆっくりとカールしていきます。
生後4か月を過ぎると反った状態が定着し、生後6か月までには成猫の耳になります。
(耳がカールする確率は50%程度)
c.「ラ・パーマ」の毛質
生まれた時は、巻きの緩い毛が生えていますが、生後2~3週間くらいから脱毛が始まり、
2~3年にかけてしっかりとした巻き毛が生えそろいます。
直毛で生まれた子は、ほとんどの子が直毛のままですが、稀に脱毛し巻き毛に代わることがあります。
d.「セルカーク・レックス」の毛質
生まれた時点ですでに巻き毛をしています。
生後半年ごろに毛が抜けおち、10カ月ごろにまた生えそろうとされています。
直毛で生まれた子は、「セルティック」と呼ばれ、巻き毛になることはありません。
e.「ラグドール」のカラー
生まれた時は、全身が真っ白で、生後2週間ほどで模様が現れはじめます。
成長するにつれて顔回りや耳、しっぽの色味がはっきりするようになります。
完全に模様ができあがるまでは、約2年かかります。
f.「トンキニーズ」のカラー
生まれたばかりは、全身真っ白で、生後2週間ほどでカラーが現れはじめます。
完全に模様ができるのに1年以上かかります。
g.「マンチカン」の足
生まれた時点で、短足か中足、長足に分かれます。
(短足の確率は、20%程度)
h.「ジャパニーズ・ボブテイル」の尾
生まれた時点で、尾が曲がっています。
※原産国はアメリカです。
⑱猫パンチの意味は、「要求」「確認」「興奮」「不快・不満」「怒り」「狩猟方法」
・【要求】
「遊んで欲しい」「構ってほしい」「餌が欲しい」「扉を開けてほしい」「中に入れてほしい」などの飼主に対しての要求時に、飼主を優しく叩いてきます。その際に爪は出ていませんが、無視をしたり気付かれないと爪を出したり、鳴いたりします。
・【確認】
猫は好奇心が強いが基本的に警戒心も強いため、初めて見るものに対して危険がないか確認のため、猫パンチをすることが多いです。その際、爪を立てていることは少ないが、スピードのあるパンチが繰り出されることが多い。
・【興奮】
猫は狩猟動物のため、遊びも狩りに因んだものが多い。そのため、興奮すると遊びの中に狩猟時に繰り出す速目のパンチが繰り出されることがある。また、遊びの終わった後も興奮が冷めず、近くの動くものにパンチをしてしまうことがある。爪を出さないよう気を付けているようだが、若干出てしまうことも多い。
・【不快・不満】
猫にとって触られたら嫌な場所(※にゃんこクイズⅠ㉜参照)、もう触られたくない時間など。
過剰なスキンシップ、行きたくない場所、されたくない事、知らないものの接近、ケガや病気などで痛む場所など。
抵抗や不快、不満の意思表示として、爪を出して猫パンチをすることがあります。
・【怒り】
猫同士のケンカや身を守る時、警戒心や恐怖心を感じた時、テリトリーを荒らされた時、攻撃された時など、猫は身を守るために怒り、本気で攻撃をします。対象にダメージを与えることが目的なので、爪を出し何度も攻撃してきます。
場合によっては対象の急所や目などを狙うこともあり大変危険です。
『猫パンチの威力』
猫パンチを1枚/0.009秒のカメラで撮影したところ1枚しか写りませんでした。
これは、猫パンチが秒速22mと考えられます。
人間のパンチと比較すると、一般的なボクサーのパンチは時速40kmで、これを秒速にすると11m。
パンチの速度に倍の差があることが分かりました。
猫の体重が軽いため、大型猫種になるほど筋力と重さが上がり威力が増していきます。
一般的な猫でも小動物を一撃で気絶させる威力があり、爪が入れば絶命させることもたやすいでしょう。
『猫の利き腕』
2009年、イギリスの研究家の実験
雄猫21匹と雌猫21匹の合計42匹の猫達を対象として、以下の3つの実験が行われました。
①おもちゃのネズミを猫の頭上に垂らし、左右どちらの手で猫パンチするか?
②おもちゃのネズミを目の前に置き、少しずつ遠ざけると左右どちらの手で猫パンチするか?
③餌を透明な瓶の中に入れ、左右どちらの手を使って猫パンチするか?
【実験の結果】
①②の実験については左右両手で猫パンチをするという結果となり、利き手はないように思われた。
しかし、③の実験では、雄猫の場合は21匹中20匹が左手を使ったが、雌猫の場合は21匹中20匹が右手を使った。
「猫には利き手があり、性別による偏りがある」ということが判明しました。
⑲早期は太りにくく、晩期は太りやすい。
猫の約2~3割が、去勢避妊後の体重コントロールが難しくなります。
・オス猫「男性フェロモン(フェリニン)の減少:食事量(増)」の可能性。
・メス猫「摂食を調整する女性ホルモン(エストロゲン)の減少:食事量(増)」仮説が提唱。
いくつかの研究によると種類問わず、年齢とともに体重過剰が増加することが知られています。
猫では、2歳以下ではごく少数で、2歳を過ぎると増加し、6~8歳あたりで最も多くなるといわれています。
(※人間同様、中年で肥満が増加)
このタイミングで避妊・去勢手術を行うとさらに体重増加に拍車がかかります。
早期では、ホルモン作用は少なく、その影響は最小限となります。
実際、生後6カ月~1歳くらいでの避妊・去勢手術後に体重増加傾向は少数です。
ただし、術後の運動量は全体で25%低下することが分かっていますので、摂取カロリーの減少が必要と思われます。
手術時期が異なる2つのグループを対象とした比較調査(2017.1.5/イギリス)
「ウォルサム ペット栄養研究調査チーム」
・生後19週齢(早期)グループ × オス猫8頭
・生後31週齢(晩期)グループ × オス猫7頭
去勢手術前後、体内の生理学的変化を観察 ⇒ 20~30週齢の性的成熟差を比較。
子猫たちはウォオルサム研究施設内で、「S.H.A.P.E.™」評価法の理想体型を保つよう食事を与える。
【去勢前後の観察項目】
1.食事量:毎日計測
2.体重と体型:週に1回計測
3.自発的な運動レベル:19、25、31、37、43、52週齢の計測
4.血液:19、21、25、31、33、37、43、52週齢の食事後、16時間以上経った空腹時の血液サンプルを採取
※血液サンプルを用いて各種ペプチドホルモン(インスリン・グレリン・レプチン・グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)や代謝物(合計370種)を分子レベルで精査。
【摂取エネルギー】
・晩期グループ:手術後、3~10週間経過(=生後34~41週齢)で急激な摂食量(増)を観察。
※この増加は過去の成猫の避妊・去勢手術後の報告と一致。
【消費エネルギー】
⇒去勢手術、性成熟と無関係な肝機能の完成が原因と推測される。
・早期グループ:手術を挟んだ「生後19週齢」「21週齢」の代謝産物の違いは見られず。
・晩期グループ:手術から「12週間後(生後43週齢)」「早期グループ」の代謝産物の違いは2項目のみ。
また、ペプチドホルモン濃度や糞便の細菌叢の違いは見られず。
〈結論〉
1.去勢手術→代謝エネルギー(減少)が肥満の原因。
2.去勢手術→腸内細菌叢(変化)により体内の消費エネルギー(減少)。
・可能性(低):去勢手術⇒「生理学的変化」「細菌叢の変化」⇒オス猫の消費エネルギー(減少)⇒肥満。
※活動レベル:両グループ、25%の減少が確認。
・可能性(高):運動量(低下)⇒消費エネルギー(減少)⇒オス猫の肥満。
【解説】
・「消費エネルギーの減少」は、両グループとも「活動レベル25%低下」が確認されました。
・「摂取エネルギーの増加」は、「晩期グループ(生後34~41週齢)」のみ、術後3~10週間後に確認されました。
手術後、早期グループでは「運動量の低下」、晩期グループでは「運動量の低下と摂食量の増加」により、肥満になりやすくなると推測されます。
※詳細なメカニズムは不明です。
両グループでは、生殖能力の成長差(20~30週齢)において、45種の代謝産物に格差が見られました。
特に、ネコ科動物特有のタンパク質「フェリニン」の生合成に関する物質が上げられます。
※「フェリニン」:オス成猫の尿中物質で、マーキングや雌猫を誘う役割のフェロモン物質の一つ。
生後2.5~3ヶ月齢から検知可能。
去勢をしない場合、加齢とともに増加し、テストステロンでコントロールされ、3~5倍生成されます。
去勢後、晩期グループは31週齢以降、フェリニン量(激減)⇒43週齢頃には早期グループと同程度の量となりました。フェリニン量の急変化が消費エネルギーに影響したかは不明です。
しかし、生後34~41週齢の摂食量の増加の原因である可能性はあると考えられます。
⑳・室内で1年中快適な温度で暮らす猫は、はっきりとした換毛期が無くなります。
・一般的には春(3月ごろ)と秋(11月ごろ)の年2回。
猫の毛は、気温や日光を浴びる時間の長さによって成長サイクルが変わります。
そのため、室内など温度の変化が少ない環境で過ごしている猫は、一般の猫の毛周期のサイクルとは異なり、1年中まんべんなく毛が抜け落ちるため、換毛期に集中して大量に毛が抜けるということは少なくなります。
それでも季節の変わり目は普段よりも多少抜ける量が増えます。
一般的な猫の換毛期は、春(3月ごろ)と秋(11月ごろ)の年2回あります。
毛の成長サイクルは60日~90日くらいなので2~3か月は換毛期が続きます。
猫の被毛には、「オーバーコート」と「アンダーコート」の2種類あります。
・オーバーコート:「ガードヘア」「トップコート」「上毛」とも呼ばれ、硬くハリのある毛。
光や水などの刺激から体を守る。
・アンダーコート:「下毛」とも呼ばれ、オーバーコートの下に高い密度で生えます。
アンダーコートには、長く粗めの毛質の「オーンヘア」、短めでやわらかく縮れた毛質の「ダウンヘア」の2種類があり、防寒の役割を担う。
『シングルコート』:被毛が「オーバーコート」か「アンダーコート」のどちらかの一重構造。
『ダブルコート』 :オーバーコートの下にアンダーコートが生えている二重構造。
『トリプルコート』:オーバーコートの下に2層のアンダーコートがある三重構造。
【シングルコート】
短毛種:シャム、ベンガルなど
長毛種:ターキッシュアンゴラ、ターキッシュバン、メインクーンなど
※被毛がオーバーコートの場合、比較的抜け毛は少ない。
【ダブルコート】
短毛種:アメリカンショートヘア、ロシアンブルー、アビシニアン、スコティッシュフォールドなど
長毛種:ノルウェージャンフォレストキャット、ペルシャ、ラグドールなど
※日本猫(雑種)は、ほとんどがダブルコート。
※マンチカンなどの様々な他猫種と交配した猫種は、色や長さのバリエーションが多いため、シングルコートとダブルコートの両方が存在する。
※アンダーコートが換毛期に多く抜ける。
【トリプルコート】
サイベリアンのみ
※他のどの猫種よりも抜け毛が多くなりがちなので、日頃からのブラッシングが必要。
㉑A型が優性遺伝のため
『猫の血液型の決まり方』
【A型】
「A型 + A型」、「A型 + B型」、「A型 + AB型」
【B型】
「B型 + B型」
【AB型】
「AB型 + B型」、「AB型 + B型」
猫の血液は「A>AB>B」とA型の遺伝子がもっとも優勢で、その力関係から血液型が決まります。
ほぼ100%A型:アメリカンショートヘア、ロシアン・ブルー
90%以上A型 :メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャット、ベンガル
75~90%A型 :アビシニアン、ヒマラヤン、ペルシャ、スフィンクス、ソマリ
75%以下A型 :ブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘア、ラグドール
【輸血】
A型ならA型、B型ならB型と、同型の血液を使います。
AB型は極少数のため、緊急の時はA型の血液を代用することもあります。
※A型に対して強い抗体を持つB型は代用できません。
血液型は適合しても、交差試験をしなければ輸血はできません。
輸血する側(ドナー)と輸血される側(レシピエント)の血液を混ぜて、凝集や溶血が起こらないかを調べます。
【性格】
血液型で性格は変わりません。
㉒猫の別名 答え
1.「ドレインキャット」「小さな妖精」・・・シンガプーラ
住んでいた場所、ショーでの評価
2.「マウサー」・・・アメリカンショートヘア
アメリカの別名、ネズミ捕りが上手いから。
3.「微笑みの猫」「フランスの宝」「生きたフランスの記念碑」・・・シャルトリュー
見た目。シャルル・ド・ゴールやコレットの寵愛を受けた猫なので。
4.「ウィージー」・・・ノルウェージャンフォレストキャット
アメリカでの別名、名前が長いから。
5.「カナディアンへアレスキャット」・・・スフィンクス
原産国と見た目から。
6.「プードルキャット」「小さな妖精」「猫の妖精」「エイリアンキャット」・・・デボンレックス
見た目、ショーでの評価。
7.「猫界のスーパーカー」・・・マンチカン
見た目と動き。
8.「猫界のピーターパン」・・・アメリカンカール
性格から。
9.「コブラヘッド」・・・ロシアンブルー
頭の形。
10.「穏やかな巨人(ジェントルジャイアント)」・・・メインクーン
性格と大きさから。
11.「ふくろう」「テディベア」「帽子をかぶった猫」・・・スコティッシュフォールド
耳が折れた頭の形。
12.「ジプシーシャグ」・・・ラパーマ
毛質から。
13.「奇跡の猫」・・・セルカークレックス
生まれた経緯から。
14.「レパードキャット」・・・ベンガル
アメリカでの別名、掛け合わせた野生の猫名から
㉓雑種の野良猫
「バーマンタイプ」の猫と「ペルシャタイプ」の猫、そして「バーミーズタイプ」の猫によって交配された血統猫
ラグドールの始祖となる「ジョセフィン」という雌猫は、長く薄い白毛の「ペルシャタイプ」で、アンベーカー婦人の知人、ペネルズ夫人の裏庭に自由に出入りしている 猫でした。
ある日、交通事故に遭い、ペネルズ夫人に保護され、身体が癒えると信頼したのか、裏庭で子を産みました。
仔猫は、とても大きく、美しい被毛はセミロングで、もつれて毛玉になることもありませんでした。
また、気質は、非常に優しく、抱かれたり、運ばれるとき、完全に弛緩していました。
この気質と身体的特徴が、アン・ベーカーの興味を引き、繁殖を始めます。
ジョセフィン(ペルシャタイプ)と外猫(バーマンタイプ)の仔に、猫(バーミーズタイプ)を交配しました。
つまり、自由に歩いていた猫同士の、偶然の作出からスタートした猫種だったのです。
㉔猫のルール(答え)
1.猫が人間に向かってゆっくりと瞬きするのは信頼と安心感のサイン。
2019年、猫の行動専門家「ジャクソン・ギャラクシー」氏は、ゆっくりとした瞬きは、『あなたを信頼しています』『私はあなたが私に危害を与えないと信頼しています』を意味すると伝えました。
※類似:「目を細めて」見つめてくる。
2.目を合わせるのは相手に敵意があることを示す行為
目を合わせたままだとケンカの意思を示している。
3.ちょっとした緊張をほぐすための行為
猫のあくびは、動物行動学では「転位行動」と名付けられている「気持ちの切り替え」行動の一つです。
何か失敗した後に、いきなり毛づくろいを始めるのも、「転位行動」です。
にらみ合っていたオス猫が、あくびして、立ち去る行為も「気持ちの切り替え」でケンカをしたくないという相手への意思表示と思われます。
4.目を合わさずにゆっくりとすれ違うのがマナー
外の縄張り(ハンティングエリア)は他の猫と重なっていることが多く、優先順位は時間帯で変わることがあります。
例)午前中はA猫がB猫に道を譲り、午後は逆にBが遠慮する…という行動をとることがあります。
5.逃げた方が負け
『ケンカの手順』
「にらみ合う」:お互いにらみ合ったり、脅したりして相手を追い払おうとします。
↓
「鳴き合い」:近い距離で顔を突き合わせ、体の側面を相手に向けながら、独特な声で鳴き合う。
その際、体を大きく見えるよう毛を逆立て、背伸びをし、しっぽを激しく左右に振ります。
↓
「飛びかかる」:実力行使。相手の首を狙って飛びかかり、爪と牙をむき出しにして激しく戦います。
この段階になると、相手が逃げても追いかけることがありますが、致命傷まではいかないようです。
鳴き合いまでで相手が逃げれば、勝った方は静かに見送り、攻撃することはありません。
ケンカ後、弱い方が道を譲るなどして、無駄なケンカを避けるようになります。
猫のケンカでは、必要以上に相手を傷つけないルールがあるようです。
6.高い場所にいる猫の方が強い猫だという認識
より高いところに上るためには、より多くの筋肉や身体のバランスが必要なため、猫は上下の位置関係で自分が相手よりもより優位であると考えます。