珍ネコのススメ
・アシェラ(原産:アメリカ)
・エルフキャット(原産:アメリカ)
・オーストラリアンミスト(原産:オーストラリア)
・カオマニー(原産:タイ)
・キンカロー(原産:アメリカ)
・サイベリアンネヴァマスカレイド(原産:ロシア)
・サバンナキャット(原産:アメリカ)
・ジェネッタ
・スクーカム
・チャウシー(原産:フランス)
・トイガ―(原産:アメリカ)
・トイボブ(原産:ロシア)
・ドウェルブ
・ドラゴンリー(原産:中国)
・ドンスコイ(原産:ロシア)
・バーミラ
・バンビーノ(原産国:アメリカ)
・フォールデックス(原産:カナダ)
・ピーターボールド
・ミンスチン
・ラムキン
・ライコイ(原産:アメリカ)
・アシェラ(原産:アメリカ)
【歴史】
アメリカ・カリフォルニア州にあるバイオ企業「(元アレルカ社)」がヒョウやトラといった野生の肉食動物をモチーフに交配させ、ヒョウやトラに一番近づけた猫として販売している猫種です。
ライフスタイル・ペッツの創業者である「サイモン・ブローディー」氏は、インタビューでこう答えています。
『誰もが一度は「トラやヒョウを家で飼ってみたい」と考えたことがあるはず。現実的では無理なのは分かっているが、これはその願望に一番近づけた猫なんだ』
ライフスタイル・ペッツ社は、アレルカ社時代から動物の遺伝子改良を行い、猫アレルギーでも飼える猫を研究しており、遺伝子組み換えによる新種の猫の誕生をさせてきました。
アシェラは、アフリカンサーバルキャット×アジアンレパードキャット×イエネコ(ベンガル)の3種を掛け合わせて誕生したハイブリッド種です。
2007年、当時の販売価格は約240万円。
従来のハイブリッド種とは異なった野性味溢れる雰囲気の中に美貌を兼ね備えた美しさは、裕福かつ猫を愛する人々の目を引き、一躍話題になりました。
2004年より、日本では「カルタヘナ法」が適用され生態系への悪影響を未然に防ぐ目的で、遺伝子組替生物等の輸入は制限されており、日本国内での飼育は禁止されています。
※現在は、約22,000ドル~28,000ドル(日本円で約250万~300万円)
※世界で最も高い猫として有名となっています。
※2007年に販売された100匹のうち、購入者の大半はロシアと中国でした。
【大きさ、体重】
体重:約15㎏
大きさ:体高約40cm、身長約120㎝
【特徴】
被毛はヒョウ柄。足が長く、顔つきはベンガルに似ていて、美しく凛々しい印象の顔つき。
アメリカのライスタイルペットという会社が色々な猫を掛け合わせ、品種改良した新種の猫が『アシェラ』です。
アフリカンサーバルキャットがベースの中型の猫科動物ほどの大きさ。
【性格】
ライフスタイル・ペッツ社曰く『一風変わっているが中身は家猫で、世話は非常に簡単、極めて人懐こく賢いため、子供や他の動物に慣れるのも早いので、ペットとして飼うには最適』ということですが、まだ新しい猫種なので性格も個体差があり、アメリカでは、気性の荒い性格のアシェラを扱いきれず、飼育が困難になってしまったという事例もあったそうです。
幼少期のアシェラはほとんどが大人しく、気性が荒くなる場合は大人になるにつれて変化していくようです。
そのため、購入から1年間は個体の交換が保証されているそうです。
【飼い方】
歴史が浅く、正しい飼育方法やしつけ方が定まっていません。
餌は、高カロリー高タンパクなものを与える必要があり、食事量がとても多いので、イエネコの3~5倍は餌が必要。
また、体も大きく活発なので広いスペースが必要です。
・エルフキャット(原産:アメリカ)
【歴史】
2004年、2人の女性「カレン・ネルソン」、「クリステン・リーダム」が、耳のカーブしたスフィンクスから着想を得て、スフィンクスとアメリカンカールを交配し誕生しました。
繁殖過程で、耳が外側にカールしている猫種「ハイランダー」を交配に取り入れましたが、ハイランダーは作出の過程で野生のヤマネコの遺伝子が導入されたことで猫種認定に何十年もかかった経緯があり、ハイランダーに難色を示す意見も多いようです。
エルフキャットは、正式に猫種として血統登録団体に認められていないため、現在はスフィンクスの変種とされています。
大きくて尖った耳が後ろにカーブしている容姿から、ファンタジーに登場するエルフの特徴的な耳を連想し、エルフキャットと名付けられました。
【特徴】
スフィンクスのように顔や体の皮膚にシワが寄っていて、毛はうぶ毛程度でほとんど毛が生えていません。
耳はアメリカンカールの様に外側にカールしていますが、カールしていない立ち耳の子が生まれることもあります。
肌の色は様々で、ホワイト、ブラック、チョコレート、ブルー、ブルータビー、ライラックタビー、チョコレートバイカラー、キャリコなどがあります。
スフィンクスのように筋肉質で、小さくなり過ぎないように交配され、平均体重は4k~6.5kgです。
運動神経がよく、運動が好きな子が多いため、高いところに登ったり走り回ったりします。
【性格】
人が大好きで犬のような性格です。
社交的であまり人見知りしません。
他の動物にも極端におびえず、新しい家族にもすぐに順応することができます。
非常に甘えん坊でひとりでいることが苦手なため、ひとりの時間が多いと、不安で眠れなくなりストレスになることもあるため、留守番の時間が長い方にはむいていません。
・オーストラリアンミスト(原産:オーストラリア)
歴史
1976年、オーストラリアの「トルーダ・ストレイド」医師が、スポット(斑点模様)の短毛猫を作ろうと、ブリーディングを開始しました。
ビルマ(バーミーズ)、アビシニアン、タビー(縞模様)のイエネコ間の交配に取り組み、誕生しました。
1998年、特徴である斑点以外に大理石模様がブリードのスタンダードとして認められた事を機に、名称「スポッテドミスト」から、オーストラリアの猫を強調した「オーストラリアンミスト」に変更しました。
WCF開催のキャットショーの参加資格を得ました。
TICA公認されました。
2011年10月、イギリス猫種登録団体GCCFで仮認定を受けました。
まだらや大理石のような模様にまるで霧がかかったような薄い色合いの特徴が名前の由来になっています。
性格
非常に人懐こく甘えん坊で、活発で愛嬌のある猫です。
非常に穏やかでおおらかな性格しており、ファミリーやカップル、子供、単身者、高齢者、他の動物など触られても寛容で我慢強く、攻撃的になることや引っかくことも少ないです。
飼い主と遊んだり、膝の上でまったりするなど、家の中で過ごすことを好みます。
反面、ストレスを溜め込みやすい傾向があり、長時間ひとりでいるとストレスに感じてしまうため、注意が必要です。
特徴
体格や耳の大きさ、足の長さなどの様々な点が中庸な容姿の持ち主です。
体の成熟や被毛、目の色が完成するまでに2年以上かかるといわれています。
最大の特徴ともいえる被毛は、地色とは明確に区別できる繊細な模様は、模様よりも淡い色の地色により大理石のようなマーブル模様や名前由来である霧のような斑点模様になります。そしてティッキング(1本の毛の中で色の濃さが変わる)により、霧のベールを羽織ったような美しさを出します。
短毛、丸い頭、大きい目、足としっぽは輪状模様か縞模様、顔と首にも繊細な色ラインが入っているというのも特徴です。
毛色は、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、シナモン、フォーン、ゴールド、ピーチ、キャラメル。
オーストラリアの登録団体では、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチの6色。
イギリスGCCFでは、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、シナモン、フォーン、キャラメルの7色。
アメリカTICAでは、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチ、キャラメルの7色
を認定しています。
これは団体ごとに認定色が異なるというよりも、若干の色名や分類によって多少の誤差があるだけです。
体格は、ほっそりとした見た目に反して筋肉質で、オスの方が、骨格がしっかりしていて若干大きめです。
平均的な体重は、3.5~5.8kg。
平均寿命は15~19歳程度。
病気
オーストラリアンミストは複数の猫種を掛け合わせて生まれた猫種。
こういった猫種は遺伝子疾患が出やすいのが特徴ですが、オーストラリアンミストの場合は遺伝子疾患がほとんどありません。
・カオマニー(原産:タイ)
歴史
カオマニーは英語で「Khaomanee」と表記し、タイ語で「白い宝石」という意味の「カイマニー・シー・カウ」という言葉に由来しています。
タイ国を代表する猫として、タイ国の切手の図柄に採用されたこともあります。
タイ原産のサイアミーズやバーミーズなどと異なり、カオマニーの存在は長い間、西欧諸国に知られることのない、猫種の中でもとても神秘的な存在でした。
1350年頃、タイの詩集「タムラ・ミュー」に、カオマニーの祖先が白猫「カオ・プルート」として記されています。
『カオ・プルートは、生まれた頃は水銀のような美しい両目だった。成長すると片方の目だけカナリアのような鮮やかな黄色に変化し、両目の色が異なる猫になった。』
昔からタイでは両目の色が異なるオッドアイは「幸福の象徴」とされ、絶大な人気を誇っていました。
カオマニーの純白な体色と神秘的で美しい目は、タイ国王宮を中心に飼育され門外不出の時期もあり、また個体数が少ない事情もあって、海を超えて他国に渡ることはほとんどなかったのです。
1999年、初めて国外へ出たのは、アメリカのブリーダー「コリーン・フレマス」が1匹のメスが最初で、その後、大変気に入って、オスも輸入し繁殖活動を始めました。
その後、フランス、イギリスのブリーダーにも輸入され、存在が徐々に知られ、世界的に繁殖活動が行われるようになりました。
2015年、TICAに純血種として登録されました。
遺伝性疾患を避けるため、TICAやカオマニーのブリーダー協会では、遺伝学者等のアドバイスに基づいて、青い目をもつ猫同士の交配や、オッドアイとブルーアイの交配を避けるという指針を設けています。
性格
好奇心旺盛でやんちゃな遊び好き、子どものようにわんぱくな一面を持ち合わせた猫種です。
人懐っこく、家族であれば子供や他のペットとも仲良くできます。
頭もよく知的探究心が強く、おもちゃを投げると取ってきたり、人間のことを観察してその行動を覚えようとします。
特徴
全身が白1色であることが基本で、キャットショーではそのような個体が選ばれます。
黒やタビーに白が混ざったもの、ポイントのあるものが生まれることもあります。
生まれて間もない白い子猫に淡い斑がある場合、成長するにつれ消えていくことがほとんどです
短毛種のセミフォーリンタイプです。
ハート形の頭と高い位置に付いた頬骨、大きい耳、大きい目を持ちます。
目は「オッドアイ」が多く、ブルーとイエローの組み合わせが一番多いが、ブルーとグリーンもあります。
しっぽの長さは中くらいで、まっすぐであることが望ましいとされます。
原産国タイでは、かぎ尻尾や、短い尻尾も多いが、遺伝的多様性の保持を目的として、これらの尻尾も排除しない登録団体が増えているようです。
平均体重
オス:4kg~6kg
メス:3kg~5kg
飼い方
子猫から若猫の時は大変活発なので、運動スペースと、キャットタワーなども用意してあげましょう。
イタズラ防止のために小さいものは、手の届く場所からは撤去した方が良いでしょう。
口で捕らえた際に誤って飲み込んでしまうケースがあり、ものによっては、外科手術も必要になることもあるため、気を付けましょう。
短毛のため、手入れは楽で、週に何回かコーミングをしてあげましょう。
寂しがり屋なので長時間のお留守番はできるだけ避けてあげましょう。
病気
白毛でブルーアイの個体や、オッドアイでは青い目の側の耳の聴覚異常がみられる場合があります。
オッドアイの正式名称は「虹彩異色症」といいます。
毛や目の色はメラニンの構成成分「メラノサイト」という色素の量によって決まります。
白く生まれる理由が、白猫遺伝子(W遺伝子)が色素の働きを抑制するためで、色素の量が少ないと目は青色になります。
耳の中の感受器官「コルチ器」は、目のメラノサイトと同じ細胞から形成されます。
そのため、成長過程でメラノサイトが欠乏すると聴覚障害になりやすいと言われています。
異常を感じた場合は、動物病院で確認しましょう。
そのほか、一般的にかかりやすい下部尿路疾患や毛球症、ストレス性疾患なども注意しましょう。
・キンカロー(原産:アメリカ)
歴史
1994年、アメリカ人ブリーダーのテリー・ハリスがマンチカンのように短い足と、アメリカンカールのような巻いた耳の両方の特徴をもつ猫として作出されました。
1997年、アメリカのTICAに「研究・実験的な猫種」として登録されました。
現在もTICAや他の猫登録団体を始め、多くの研究者や動物福祉団体などによって観察と検討が進められ、正式な猫種としては認められていません。
短足の猫を人為的に生み出すことは、健康上のリスクを抱えることにつながります。
巻いた耳を生み出すための繁殖も、骨格異常の可能性を考えなければなりません。
無理な交配により死産や奇形の可能性も高く、キンカローの正式登録にはまだ時間がかかると見られています。
名前の由来
縮れを意味する「kinky(キンキー)」、短足を意味する「low legs(ローレッグス)」この2つの語を合成して「キンカロー」となりました。
日本では別名「マンチカール」とも呼ばれます。
・サイベリアンネヴァマスカレイド(原産:ロシア)
・ポイントカラーと青い目を持つサイベリアン
・アメリカ『TICA』『CFA』、ロシア『WCF』はポイントカラーもサイベリアン
・フランス『FiFe』公認の猫種
・他団体の一部はポイントカラーのサイベリアンは認めていないため雑種扱い
・ヨーロッパとロシアではカラーポイントはネヴァマスカレード(NEM)と呼んでいる。
【歴史】
ロシア・サンクトペテルブルクのネヴァ川沿いで誕生。
バリニーズやヒマラヤン、シャムの輸入が始まったころに野生のサイベリアンと交配が行われたとされる。
ネヴァマスカレードの『ネヴァ』は『ネヴァ川』から、『マスカレード』はその被毛の装飾的な魅力から『仮面舞踏会』を連想して付けられた。
1997年、TICAがサイベリアンのカラーバリエーションとして公認。
2000年、CFAもサイベリアンのカラーバリエーションとして公認。
2011年、FlFeはサイベリアンの姉妹品種として公認。
・サバンナキャット(原産:アメリカ)
歴史
1986年4月7日、記録上最初のサバンナキャットは、繁殖者「ジュディ・フランク」が、野生動物「サーバルキャット」(オス)と「サイアミーズ」(メス)を交配し生まれた第1世代(F1)で、両方の特長を備えていました。
このニュースは話題にはなったものの、気性の荒い野生猫をイエネコと交配可能にすることは、手間も時間もかかるうえに危険を伴う難しいものでした。
更に、サーバルキャットには保護条例や飼育規制があり、個体の入手も困難な上、希少な野生種を交配に使う倫理観の問題から、どれほど魅力的でも繁殖するブリーダーは現れませんでした。
アメリカ人「パトリック・ケリー」は、そんなサーバルキャットに惚れ込み拡大に奔走を始めます。
ケリーは、フランクから猫を譲り受けた繁殖家を説得し、第2世代(F2)以降の交配と育種を勧めて回りました。
そして、繁殖家「ジョイス・スルーフ」によって、本格的な交配が始まり、第3世代、第4世代と育種が進みます。
1996年、ケリーとスルーフによりスタンダード(猫種標準書)が作られましたが、交配だけでなく、ペットにすることに関しても問題視されるようになります。
「野生種の遺伝子を入れることは、イエネコの遺伝子プールを広げることにもなる」
「異種交配による免疫疾患の出現や希少種の乱獲につながる懸念がある」
などがテーマとして上がり、多くの話し合いが行われました。
2001年、TICAに新猫種として登録され、2012年に正式にキャットショーに出場可能になりました。
交配には、模様を重視し、ベンガル、エジプシャンマウ、オシキャットなどが使われました。
第1世代(F1)から第4世代(F4)までは、サーバルキャットの遺伝子が50%を超える個体が生まれるため、特定動物の届け出をし、飼育規制を守る必要があります。
サーバルキャットの遺伝子含有率でF1~F7に分類され、F1~F3は特に野生の血が濃く残り、F5以降が飼育に向いてきます。
2020年6月1日、動物愛護管理法の改定によりF1は特定動物となり、ペットとしての飼育は禁止と定められました。
【飼養できないネコ科の特定動物】
特定動物とは、人に危害を加えるおそれがあるとされる、特定の動物やその交雑種について、愛玩目的等での飼養が禁止されている動物のこと。
「トラ、クマ、ワニ、マムシ」などの哺乳類、鳥類、爬虫類が対象となり、約650種が特定動物として指定されている。
特定動物は動物園や試験研究施設のみで飼養が可能とされており、またその際についても都道府県知事や政令市例都市の長による許可が必要とされている。
・チーター
・カラカル
・アジアゴールデンキャット
・ジャングルキャット
・オセロット
・サーバル
・オオヤマネコ属 全種
・ウンピョウ
・ヒョウ属 全種
・スナドリネコ
・アフリカゴールデンキャット
・ピューマ属 全種
・ユキヒョウ
出典:環境省 特定動物(危険な動物)の飼養または保管の許可について
・ジェネッタ
・スクーカム
・チャウシー(原産:フランス)
歴史
チャウシーの祖先は、中東を中心として生息する小型のヤマネコ「ジャングルキャット」と、イエネコの自然交雑種(ハイブリッド)と推測されています。
ジャングルキャットとイエネコの交雑の原点は、古代エジプト時代(紀元前3000年頃)にまでさかのぼります。
当時、古代エジプトでは猫を神聖視しており、多くの埋葬された猫のミイラの中にジャングルキャットと思われるものもあり、イエネコと交配する状況は当然あったと推察されます。
東南アジアからインド大陸、中東を経てアフリカ西部にまたがる広い地域の歴史的遺跡や遺物から、ジャングルキャット、イエネコ、その交雑種のミイラがいくつも発見されています。
この交雑が多くの世代を経て、中東(エジプト)またはアフリカ(エチオピア)原産のアビシニアンになった可能性が示唆されており、アビシニアンの歴史やジャングルキャットとの類似により、有力な説となっています。
チャウシーの交配でも「アビシニアンまたはドメスティックショートヘアーを使うこと」と育種標準ルールが定められています。
「ジャングルキャット」が基礎の交配は、第1世代(F1)~第3世代(F3)まではヤマネコの気質を強く引き継ぎ、やや気性が荒くなります。
この理由から、純粋な家庭猫として登録が認められるのは第4世代以降と決められています。
また、F1~F3までヤマネコと同様に扱われ、国や地域によって「輸入、飼育が禁止」、「届け出が必要」などの場合があります。
1960年代後半~1970年代、「野生の猫(ジャングルキャット)を家で飼いたい」という目的のため、交配がスタートしました。
ジャングルキャットとの交配種は、アビシニアンやオリエンタルショートヘアで、大きな耳と長い手足が特徴です。
1990年代、先進国を中心としたペットブームで珍しい猫に注目が集まるようになったことや、野生種に近い美しい姿に惹かれる愛好家が増えたことで、本格的な繁殖が始まります。
この頃、それまで長く続いてきたチャウシーの繁殖プログラムにより、ペットとして適正な育種や繁殖の方法が確立。
1995年、アメリカのTICAで新しい猫種として予備登録されます。
2013年、新しい猫種としてチャンピオンシップ品種となり、キャットショーへの出場も可能になりました。
現在、WCFにも登録を申請中とのことです。
ロシアで特に高い人気を誇っていますが、繁殖はアメリカとヨーロッパが主で、世界的に出会える機会はまだ少ない状況です。
名前の由来は、ジャングルキャットの学名「Felis chaus(フェリス・チャウス)」から「チャウシー」(Chausie)と名付けられました。
ジャングルキャット
チャウシーを元に作られた猫も存在しており、ピクシーボブとの交配である「ジャングルボブ」、
アメリカンカールとの交配の「ジャングルカール」がいます。
性格
賢く、好奇心旺盛で飼主によく懐き、コミュニケーションを好みます。
賢いゆえに興味を引くためいたずらなどをしてしまうこともあります。
依存心、独立心は弱めで、誰かと一緒に過ごすことを好みます。
運動能力は大変優れており、成猫になっても大変活発です。
鳴き声はそれほど大きくなく、騒ぐことも少ないです。
特徴
短毛種、ロング&サブスタンシャルタイプ
体高は、35.5~45.7cm
体重は、オス:4~7キロ、メス:3~4.5キロ。
胸が深く、横から見て長方形になる長い胴体に手足も長い、すらっとした身体を持つ大柄な猫です。
頬が高く、マズルはやや長めでスクエアです。
耳先に房毛のある大きな耳は高い位置にあり、頭部の両端にあってわずかに外を向いています。
丸い目の上部のカーブはゆるやかな野性的な形をしており、毛色によってはアイラインが目立ちます。
公認カラーは、ブラウンティックドタビー(茶色がかったトラ模様)、ブラックグリズルタビー(白い毛の混じったトラ模様)、ブラック(黒1色)の3色です。
しかし、ブラウンやグレー、ブラックを中心にさまざまな毛色が生まれます。
「白い毛の混じった=grizzled」と呼ばれる現象は祖先であるジャングルキャットから受け継いだ特徴で、猫種の中ではチャウシーが唯一この特徴を持っているといわれています。
飼い方
運動できるスペースを十分に用意し、体格に見合った頑丈なキャットタワーを用意してあげましょう。
人と遊ぶのも大好きですので、おもちゃをたくさん用意して遊んであげましょう。
小動物と一緒に放しておくことはお勧めできません。
少しの留守番はできますが、毎日長時間となると退屈でストレスを感じます。
一般的に、小さな子供のいる家庭には向かないとされていますが、留守番の多い家庭では、ほかの猫や犬などのペットを一緒に飼育してあげるのが良いでしょう。
短毛なので週に1度程度のコーミングで充分です。
遊ぶのが大好きなチャウシーは、いたずらも大好きです。割れ物などの壊れやすいものは置かないようにしましょう。
病気
食物アレルギーや消化器疾患の傾向があることが知られています。
ヤマネコの影響が考えられ、特に穀物や野菜は消化不良から下痢を起こしやすいと考えられています。
おなかの調子が良くない場合は、肉類のみのフードを与えてみるのも良いでしょう。
・トイガ―(原産:アメリカ)
歴史
1980年代、アメリカ・カリフォルニア州のベンガルのブリーダー「ジュディー・サジェン」によって作出された猫種です。
ジュディーは飼育している2匹のベンガルの子猫に、頭にトラのような縞模様(サーキュラマーキング)を見つけました。
多くの「トラ柄」と呼ばれるマッカレルタビーの猫たちには、そのような模様はなく、本物のトラのはっきりとした太い縞模様とはほど遠い容姿をしており、この模様が本物のトラのような模様の猫を生み出すポイントになると考え、「家で飼う本物のトラ模様の猫種」を繁殖家仲間アンソニー・ハッチャーソンとアリス・マッキーの協力により本格的な育種に乗り出しました。
ジュディーは、模様を再現するための大きくて長い胴体やトラの頭にあるような環状の模様、鮮明で鮮やかな毛色、そして、何よりも一緒に暮らすための穏やかな気性を兼ね備えた猫を理想としました。
そして、ベンガル猫を基礎に世界中のさまざまな猫と掛け合わせ「トイガー」は誕生しました。
1993年、アメリカのTICAに新品種登録のため予備登録を申請しました。
2000年、育成期間として受け入れられます。
2006年、正式な猫種「トイガー」が公認されました。
しかし、新種登録はされましたが、さまざまな猫種との繁殖が影響して毛色や縞模様が安定していません。
より本物のトラ模様になるには、数十年以上かかるといわれています。
トイガーという名前は、「Toy(おもちゃ、可愛がる)」「 Tiger(虎)」の2つの単語による合成語です。
CFAでは、「野生猫の血統を繁殖に用いることを禁止」なため、ベンガル同様に登録は認められていません。
特徴
セミフォーリンタイプの体型は、胴長でがっちりとした骨太の骨格、たくましい筋肉と適度な脂肪がついた、ゆったりとしたプロポーション、しっぽは長くまっすぐです。
頭部は逆Vではなく、顎は大きく、鼻スジは広いことが好ましいとされています。
目はやや小さ目で、つり目であること、耳も小さいことが理想です。
目の色はブルー以外とされています。
歩き方にも特徴があり、野生の猫科動物の、肩を入れて歩く貫録のある歩様が好ましいとされています。
平均体重は、オス:6~10kg、メス:5~8kg。
体高は30~40cm。
毛色はブラウンタビー(マッカレルタビー)のみです。
地色は、ブラウン、マホガニーレッド、オレンジ、ゴールド、タンがあり、縞模様は黒くはっきりしている方が良いとされます。
公認の毛色としては認められていないものの、ブルー系の毛色が表れることもあります。
顔まわりは、目に黒くアイラインが引かれた「マスカラ」と呼ばれるパターンが入ること、そして頭部には白いハイライトがあることが理想とされています。
現在、本物のトラにより近づけるために、腕の内側や腹部などに白が入るよう育種が続けられているそうです。
性格
見た目に反して、とても穏やかで優しい性格なので、子供や初対面の人、他の動物に対しても友好的に接してくれます。
大変賢く、好奇心旺盛、活発で明るく、飼い主に対して従順で愛情深い性格です。
依存心があまり強くないので、ベタベタと甘えてきたり、抱っこを要求することはあまりないようです。
警戒心は強いため、家族以外には距離を置いたり、来訪者に対しては身を隠すこともあるようです。
中には、野性味の強さや性格が、繁殖に使われたさまざまな猫種の影響が見られ、激しい性格の子や落ち着いた子、警戒心の強い子やのんびりした子などもいます。
病気
ベンガルは、ヤマネコから受け継いだ性質で猫伝染性腹膜炎(FIP)への感受性が高く、罹患すると重症化するケースが多いという報告があります。
FIPは遺伝性疾患ではありませんが、治療が間に合わず亡くなる場合もあるため、トイガーの作出者も注意を呼びかけています。
肥大型心筋症の起きる可能性もあるとされています。
飼い方
行動は大変活発で、生活環境には十分なスペースを割いてやる必要があります。
また、体の大きい子も多いので、キャットタワーはしっかりとしたものを用意しましょう。
力が強いので、抵抗されると大きなケガをすることもあります。
子猫の頃から首輪やリード、輸送用クレートに慣らすために、不快感を持たないよう習慣づけ、動機づけを行った方が病院などの移動がたやすくなります。
短毛種ですが、かなり毛が密集しているので、週に1~2回のブラッシングをしましょう。
短毛種には、ブラシ部分がゴムでできたラバーブラシがおすすめです。
しっかりとした体を作るためにも良質なタンパク質を多く含んだ食事を与えるようにしましょう
・トイボブ(原産:ロシア)
1994年12月、セミナーにて「ミロノワ」氏の提案により名称が、言いにくい「スキフ・タイ・ドン」から、
簡潔できれいな『小さなボブテイル』という意味の「トイボブ」 と変更されました。
『世界一小さな猫』といわれる小柄な猫種で体重1.0~2.3kgです。
ロシアのロストフ・ナ・ドヌ(ロシアのアゾフ海付近にあるドン川の海港)で、メコンボブテイルのブリーダー「エレーヌ・クラシュニチェンコ」が、1983年にシャムのような見た目の野良のオス猫を保護し、「ミシカ」と名付けました。その尻尾は短く、ねじれている特徴を持っていました。
その2年後(1985年)、エレーナの母親が2匹目の野良のメス猫を保護し「シムカ」と名付けます。
この猫は、小柄でシールポイントの巻き毛、尻尾が短い特徴を持っていました。
1988年8月8日、生まれた小さな猫は「クーツィイ(Kuts)」と名付けられ、トイボブの基礎となりました。
※(クーツィイは、ロシア語で「しっぽが切った状態、ボブテイル」と意味します。)
初めの頃、彼女は親しい人にプレゼントとして、この猫の子を無償贈呈していました。
生まれた猫の特徴は当初、欠陥と思われていましたが、FAR(ロシア猫科動物協会)に加入すると、小柄な猫種として繁殖計画を勧められました。
この最初の猫は「スキフ・タイ・ドン(Skif-Thai-Don)」と呼ばれ知られるようになっていきます。
※スキフ・タイ・ドン
エレーヌは、種の名前は必ず「ドン」という言葉を含もうと決めました。
猫の愛好会「スキフ」のシドレンコワさんは繁殖を愛好会で行うので、「スキフ」という言葉を使えばいいと述べました。
バトコワさんはタイ(シャム)の猫に似ているので、「タイ」の言葉も含め、「スキフ・タイ・ドン」という名前を提案しました。
1990年代後半、ウラル地方のブリーダー「フェデヤヴァ」がロシア土着の小さな猫と交配させ、トイボブの品種改良、繁殖を開始します。
ドイツのWCFの「Unrecognized Breed」カテゴリでトイボブを展示し、トイボブの突然変異(小柄な体格と尾の形状)はシールポイントの猫だけではないことを実証しました。
突然変異には、野良猫の毛色、パターン、長さも関わっており、これらはトイボブの繁殖プログラムに組み込まれ、この血統にバイタリティを与えました。
キャットショーで評判になったことで有名になり、欧州では『インターナショナル・チャンピオン』の称号を獲得しました。
1997年、CFA国際ブリード審査員故高野賢治氏は、日本で初めて、この猫を上陸させSkif Toy Bobtail(スキフ・トーイ・ボブテイル・スキフトイボブテイルとも言われる)と名付けました。
※現在でもこの名前は日本獣医師協会が発表する、猫:種類コード表に掲載されています。
2011年、世界で最も小さい猫として、WCFに猫種登録されます。
2014年、トイボブのキャットクラブITCCが設立。
2015年、トイボブのスタンダードを統一。
MFA、ICUなどの団体でチャンピオンシップが認められ活躍するようになります。
2017年、TICAで、ロストフ、ウラルの2つのグループが再び一緒に集まり、品種の正式名称を「トイボブ」とし、
レジストレーションオンリー(予備登録)の猫種として登録されました。
2020年、8月8日を【トイボブの日】と制定。
日本人GOJYUUOU TANAKAの提案により、トイボブの品種誕生の日としました。
現在は、WCFとFIFeで暫定品種として登録されているのみですが、ロシア、ブルガリア、フランス、スペイン、スウェーデン、イギリス、デンマーク、日本、カナダ、アメリカ全土で育種プログラムがあり、さらなる拡大が期待されています。
特徴
トイボブの最大の特徴は小さな体です。
体を小型化する遺伝子は未知の劣性遺伝子で、成猫でも1~2.3キロ程度と小さく、子猫のようなサイズです。
またもう一つの特徴であるしっぽは3~8センチ程度と短く、尾椎は数個しかありません。
被毛はシングルコートで、短毛種と長毛種の2種類が存在します。
長毛種はセミロングで、 「トイボブロングヘアー」 と呼ばれることもあります。
カラーは、シールポイントのみで、指先の白い模様は許容されます。
その顔は丸くて目は大きく、アイカラーはゴールドグリーンもしくはブルーグリーンのどちらかです。
耳は中くらいの大きさで先端が丸く、少し前に傾いて付いています。
性格
トイボブは猫でありながら「犬のよう」と言われるほど、甘えん坊で人懐っこい性格をしています。
飼主に従順でスキンシップを好み、愛情豊かで後ろをついてくることもあります。
警戒心が薄く、攻撃性はほとんどないため、知らない人に対しても非常にフレンドリーに接することが多いです。
好奇心旺盛で快活なので、どんな環境も楽しみながら慣れてくれます。
鳴き声も小さく、ほとんど鳴かないという個体が多いといわれています。
・ドウェルブ
・ドラゴンリー(原産:中国)
歴史
ドラゴンリーは、被毛の特徴から、英語圏では「チャイニーズ・リー・ファ(Chinese Li Hua )」や「リー・ハウ・マオ(Li Hua Mao「狸花猫」)と呼ばれ、「リー(狸)」は猫種を表し、「ハウ(花)」はトラ柄のタビーパターンを指しています。
古来から食料をネズミから守るために一緒に暮らし、大事にされてきました。
そのため、中国ではとても大切に扱われ、ドラゴンリーの交配の際は猫の結婚式を行うほどです。
また、中国では切手になっており、「ドラゴンリーは幸せを運んで来てくれる猫」という言い伝えもあります。
中国の古い民話にはドラゴンリーの様な猫が登場する話がいくつもあり、古くから中国に存在していた猫であることを物語っています。
歴史は古く、紀元前1300年頃から存在する中国で最も古い猫種のひとつといわれており、山猫から派生して生まれた猫種です。ルーツは、古来から中国の山奥に住んでいるヤマネコの亜種である野生のハイイロネコが祖先と言われていますが、科学的根拠がないため、関連性がないのではないかという声も上がっています。
中国の革命家「チャオ・シャンツァイ」が飼っていたことで有名で、新聞を取ってくるようにしつけをしたという話があります。
2001年、中国最大の猫種登録団体CAA が設立し、中国国内で品種として認識されるきっかけになりました。
2003~2004年、中国北京で行われたキャットショーで、エクスペリメンタルブリード(実験的品種)の猫としてデビューします。
2005年、CAAが開催したキャットショーで、ドラゴンリーのオス猫「ニーデ」がチャンピオンになりました。
その後、キャットショーのアメリカの審査員が2匹のドラゴンリーをアメリカに連れて帰り、中国国外で初めてドラゴンリーを紹介しました。
CAAはドラゴンリーのプロモーションに力を入れ、団体のロゴをドラゴンリーにするなど、精力的な宣伝活動を行った結果、2010年2月、CFAで公認されました。
性格
元はネズミ駆除を行っていたためハンター気質で好奇心旺盛ですが、愛情深く従順で協調性や落ち着きもあります。
遊び好きで運動神経もよく、とても賢いので、犬のように芸を覚えることでも知られています。
我慢強い性格を持っているため、子供やほかのペットのいる家庭にも向いています。
信頼関係を築くと、適度に甘えてくるので、あまり構ってあげられなくても、1人で時間を過ごせます。
構い過ぎるとストレス性疾患になってしまう可能性がありますので気を付けて下さい。
野生の血が濃く残っているためか、方向感覚に優れていると言われています。
特徴
体高:約25.5~35.5cm
体重:約3.8~5.5kg
耳は大きく、顔は丸顔で幅が広く、目はアーモンド形、アイカラーは黄、緑、茶色です。
ヤマネコの血を引いているため、がっしりとした体型で、首がとても短く見えるという特徴があります。
足も太く、後足よりも前足が少し短いです。
体の成熟までに3年程かかるといわれています。
被毛は短毛で、体にぴったり沿うように生えており、カラーは「ブラウンのマッカレルタビー」のみ認められています。
日本でいうキジトラにとてもよく似ています。
一本一本付け根はブラックで、先端に向かって徐々に茶色に変化している「ティックドタイプ」です。
・ドンスコイ(原産:ロシア)
歴史
「ドン・スフィンクス」、「ドン・ヘアレス」とも呼ばれていました。
1987年、ロシア南西部の町「ロストフ・ナ・ドヌ」で教師をしていた女性「エレナ・コバレーバ」は、川のほとりでサッカーをしている子供達が、生きている子猫が入った袋をボールの代わりにしているのを見つけ、慌てて取り上げました。
救出した子猫を連れて帰り、「バーバラ」と名付けました。
バーバラは、無毛の子猫で、毛のないままに成長し、2年後、自身と同じ無毛の子猫を生みました。
毛のある子もいましたが、成長とともに次第に毛が無くなっていきました。
エレナの知人たちは、「毛が生えないのは病気ではないか?」と考え、「処分した方が良い」と言いました。
そんな話が耳に入った近くに住む猫のブリーダー「イリーナ・ネミーキナ」は、引き取ることを持ちかけました。
ネミーキナは、その猫の特異な外観にほれ込んで繁殖計画を進めました。
毛のない猫種「スフィンクス」と、バーバラが発見された場所の近くにあるドン川から名前を取って、「ドン・スフィンクス」と猫種名を付けました。
1997年、WCF、 FIFeで新しい猫種として登録した時は「ドン・スフィンクス」でしたが、
2005年、TICAの登録では「ドンスコイ」と呼んでいます。
ドン・スフィンクスは「ドン出身のスフィンクス」という意味が強く出ているのですが、スフィンクスとは遺伝子的に別なため、スフィンクスが外され、ドンスコイ(ロシア語:〈ドン川の〉の意)になり、事実上品種名が二つ並存している状態になっています。
性格
社交的で穏やか、賢く好奇心旺盛で活発、人といることを非常に好みます。
子どもや犬などほかのペットとも仲良くできますが、やや依存心が強い傾向があります。
寂しがりやで一人での留守番は長時間しないようにしましょう。
特徴
無毛種として知られるスフィンクスが劣性遺伝であるのに対し、ドンスコイは優性遺伝です。
人間と同じように汗腺を持ち、汗をかくのはスフィンクスと一緒です。
皮膚は極めて弾力に富み、頭頂部に垂直に走るシワが目を引きます。
くさび型の頭に平らな額、頬骨は高く張っていて、鼻筋はまっすぐでわずかにストップがあります。
頭部の両端についた耳は大きく立っていて、先端に丸みを帯びています。
大きくてアーモンド形の目と長く水かきのついた足も特徴の一つです。
筋肉質でしっかりした首と体、足は長く、後ろ足がやや長めです。
しっぽは体とバランスが取れた長さで、うっすらと毛が生えていることもあります。
寒い季節になると胸部としっぽの先に毛が生え、暖かくなると抜け落ちるという変わった性質を持っています。
平均体重はメスが2.5kg~3kg、オスが3.5kg~4kg
ドンスコイの被毛のパターンは、「ラバーボールド」「フロックド」「ベロア」「ブラッシュ」の4種類が存在します。
・ラバーボールド:毛を持たずに誕生して、一生毛が生えずに育つ。
・フロックド:セーム皮のような優しい肌触りの毛を有して生まれてくるが、成長するに連れて抜け落ちる。
・ベロア:頭の一部が無毛状態で生まれ、生後1年間にくりくりとした羊のような毛が生え、ほとんどが抜け落ちていく。
・ブラッシュ:唯一のあまり毛が抜けない。生涯で、毛が抜けるのはほんの一部。
※セーム皮とはメガネや車を拭き掃除する際に使用されている素材。
・バーミラ
・バンビーノ(原産国:アメリカ)
アメリカ・アーカンソー州のキャッテリー・HolyMolyのオーナーで、繁殖家のオズボーン夫妻がスフィンクスとマンチカンの交配で生まれた、足の短い無毛の猫を譲り受けました。
その猫に惚れたオズボーン夫妻は、繁殖を決意。
2005年、このハイブリット種の健康と生存率を丹念に調査した上でTICAに登録申請。
2006年、新しい猫種の「イクスペリメンタルブリード(実験的品種)」カテゴリで登録されました。
誕生してから年がたっていないため、遺伝的疾患や生存率など充分な調査を終えておらず、認定種として各団体に登録されるには至っていません。
ゆくゆくはスフィンクスの亜種として登録され、新しい猫種としての認定はされないと予想されています。
理由として、スフィンクスの繁殖者が少ないため、同様に繁殖者が増えていかない可能性が高い事。
突然変異の無毛猫ドンスコイと異なり人為的交配である事などがあげられます。
バンビーノは、短足の無毛タイプの誕生確率が他の猫種より低いため、希少価値のある猫種を登録する機関「REFR(Rare and Exotic Feline Registry)」に登録がされています。
『REFRは、希少でエキゾチックな猫種の保存と認知を目的に活動しています。信頼できる登録簿を提供し、特別な猫の独自の特質を促進することで、ブリーダーや飼い主をサポートすることを目指しています。』
– REFR公式ウェブサイト
『バンビーノ』とは、繁殖者「パット・オズボーン」がイタリア系で、成猫になってもあまり体は大きくならず、特徴的な短い足から赤ちゃんのように見えることから、イタリア語で『赤ちゃん』と名付けられました。
・フォールデックス(原産:カナダ)
ベティ・アン・ヤクスリーが人気猫種のスコティッシュフォールドとエキゾチックショートヘア、エキゾチックロングヘアーの特徴を引き継ぐよう試行錯誤を繰り返し交配することで誕生しました。
1993年、キャットショーで初デビューしました。
その後はジャンヌ・バレットを中心としたブリーダーがカナダのケベック州で血統の育種に取り組み、
2006年、カナダの猫種公認団体CCA(Canadian Cat Association)の公認を受けました。
別名「エキゾチックフォールド」,「エクソフォールド」と呼ばれます。
【性格】
非常に愛情深く、賢くて好奇心旺盛、知らない人にも近づく人懐こさがあります。
【特徴】
スコティッシュフォールドの折れ耳とエキゾチックの短い鼻を受け継いでおり、体は筋肉質で骨太のコビータイプ。
短毛種と長毛種がおり、全ての色とパターンが許容されています。
顔も大きな瞳もまん丸の見た目から、フクロウやミミズクに似ています。
【成猫時の平均】
体高 約25cm 体重 2~4kg
・ピーターボールド
・ミンスチン
・ラムキン
・ライコイ(リコイ、リュコイ)(原産:アメリカ)
歴史
突然変異によって誕生し、その見た目から「ウルフキャット」とも呼ばれています。
英語で「Lykoi」と表記し、ギリシャ語で「狼」を表す「Lycos(ライコス)」にちなんで名付けられました。
「Lykoi」は「リコイ」「リュコイ」「ライコイ」と呼べますが、ブリーダー本人は「ライコイ」と呼んでいるそうです。
ライコイは、全く無関係なところで生まれた2匹の猫が、偶然出会い誕生しました。
1匹目は、「パッティ・トーマス」という女性の愛猫で、なんの変哲もない黒猫から生まれた2頭の兄妹猫は、なぜか被毛が全体的に薄かったそうです。
2匹目は、アメリカ・テネシー州のスフィンクスのブリーダー「ブリトニー・ガブル」が、里親募集広告でみつけた子猫です。
この子猫も被毛が薄く、スフィンクスとは違った外観を呈していたそうです。
この猫たちはお互い離れた場所にいましたが、飼主たちの共通の友人「シェリル・カー」の存在が、奇跡の出会いを果たします。
出会った子はどちらも「毛が薄い」特徴があったため、病気の疑いで検査を行うことになりました。
結果、特に異常が見られず、
2011年9月、この2匹の繁殖が開始されます。
2012年、アメリカのTICAで新品種として認定されました。
当初はキャットショーに出場できない「Registration Only(認定のみ)」と言う扱いでしたが、
2017年、キャットショー出場許可のある「チャンピオンシップステータス」を獲得しました。
『ライコイの遺伝子について』
獣医遺伝学の研究が盛んなカルフォルニア大学デービス校で調べたところ、「スフィンクス」や「デボンレックス」とは全く関係のない遺伝子を持っていることが判明しました。
この遺伝子は2000年を過ぎたくらいから出現したと考えられており、
2010年にアメリカ バージニア州で保護された記録が残っています。
また、「猫を狼のような容姿にする遺伝子」は劣勢遺伝子であることがわかりました。
健康的な猫を作出するためには、同系の遺伝子交配はなるべく避ける必要があり、今後、数を増やしていくには、異種交配が必要と考えられます。
まれに野良猫の中に発見されることがあるため、保護し、ブリーディングに用いられるよう発見情報を募っています。
性格
とても賢く、愛情深い性格をしており、人間以外の動物にもすぐに慣れます。
飼主に忠実で、匂いに敏感な部分があります。
一緒に遊ぶことを好みますが、一人でも満足して遊ぶことができます。
個体差はありますがオモチャを投げると持ってきてくれる子もいるそうです。
特徴
体格は、フォーリンタイプで、小柄で細身、頭は三角形に近い形をしています。
体高:20cm前後
体重:2kg~4.5kg程度
特徴的な被毛パターン「ローン」を持っています。
「ローン」とは、1本の毛に複数の色が混じる「ティックド」と違い、独立した白と黒の被毛が密に入り交じった状態のこと。
被毛は、生後3週間頃から顔を中心に抜けていき、最終的には全身の抜け毛が見られるようになり、10週齢になるころまでに、大人と同じようになるといいます。
目、鼻、耳、マズル近辺の毛がなく、全身の毛も、春先ごろになると全体的に抜け落ちてしまいます。
毛の生え具合は季節によって異なり、一時的にスフィンクスのように毛がなくなることもありますが、その後また生えてきます。
これには個体差があるため、ほとんど抜け毛はなく、毛量がしっかりとある子も存在します。
なぜライコイの遺伝子が、部分的に被毛の発育が抑えるのかはわかっていません。
飼い方
お手入れは、 アンダーコートがなく被毛もまばらですので、1日1回ぬれタオルで拭く程度でも構いません。
ブラッシングのし過ぎで地肌を傷つけないように注意しましょう。
被毛が少ないため、冬場は体温が奪われやすいので、室温・湿度の管理はとても重要です。
病気
ライコイ自体の歴史が浅いため、どんな病気にかかりやすいか、何に気をつけるべきか、データはまだ揃いきっていません。