コジマ動物病院からのお知らせ59
動物病院での尿検査について
ワンちゃん・ネコちゃんと暮らしていると、必ずペットのトイレ掃除をすることになりますが、実はトイレ掃除がおうちの子の健康状態を知るのにとても大切な事だというのをご存じでしょうか?
日ごろからオシッコやウンチの状態をチェックしておくことで健康状態の変化にいち早く気が付くことができます。
「トイレに行く回数が増えた」「オシッコの色がいつもと違う」「1回あたりの量が増えた(もしくは減った)」などのお悩みで動物病院にいらっしゃる方は少なくありません。
そういった際は「尿検査をするのでおうちでしたオシッコを持ってきてください」とご案内することがよくあります。尿検査をすると何がわかるのでしょうか?
今回は泌尿器系の病気の診断に役立つ、尿検査について紹介したいと思います。
尿検査の項目
①尿の見た目や性状
・色、透明度:正常な尿の色は透明な淡黄色から濃黄色です。赤色や茶色、白っぽく濁っていないか調べます。尿路での感染や出血などがあるとオシッコの色に変化が見られます。
・におい:感染をおこしていると特殊なにおいがすることがあります。
②化学的検査 ―尿試験紙を使って調べる検査-
・pH:尿のpHは通常弱酸性ですが、アルカリ性または酸性に偏りすぎていると尿結石が発生しやすくなります。
・たんぱく質:腎臓病や尿路感染などで尿中にたんぱく質が検出されることがあります。
・尿糖:糖尿病などの指標にします。
・ケトン体:糖尿病や極度に栄養状態が悪い時に検出されます。
・ビリルビン、ウロビリノーゲン:肝臓や胆のうの異常で検出されます。
③尿比重
・比重計で腎臓の尿を濃縮する能力を調べます。腎機能障害があると尿比重の値が低くなります。
④顕微鏡検査
・赤血球:出血や炎症で検出されます。
・白血球:感染症や炎症で検出されます。
・細菌:尿路感染症で検出されます。
・結晶:pHがアルカリ性や酸性に偏ると検出されることがあります。結晶の形によって種類を見分けます。結晶がたくさん集まり、結石が作られると尿路閉塞を引き起こすこともあります。
・細胞:通常の尿にも一定の細胞はみられますが、腫瘍がある場合は尿の中から腫瘍特有の細胞が検出されます。
おうちでのオシッコの採り方
ワンちゃん
・トイレのペットシーツを裏返しにセットし、溜まったオシッコを採る
・お散歩でしか排泄をしない子は外でオシッコをしたらお皿状の容器で受け止める
ネコちゃん
・トイレから猫砂を取り除き、溜まったオシッコを採る
・システムトイレはチップの下の吸収剤を取り除き、溜まったオシッコを採る
・トイレに入って排尿姿勢をとったときに、お尻と猫砂の間にお皿状の容器をさしこみ受け止める(警戒心の強いネコちゃんには難易度が高い方法ですので、性格に応じて試してみてください)
尿検査をするためには液体の状態のオシッコが必要です。
ペットシーツや猫砂に吸収された状態では検査が行えません。
おうちでオシッコが採れてから2~3時間以内に検査を行うのが理想的です。
それ以上時間が経ってしまいそうな場合は冷蔵保存をおすすめします。常温保存、冷蔵保存に関わらず時間が経つほど尿の成分が変化し、検査結果に影響がでますので長くても半日以内に採れたオシッコをお持ちください。
まとめ
尿検査をすることで泌尿器系、内分泌系などの病気を見つけることがます。
ワンちゃん、ネコちゃんは1年でおよそ4~5才年をとると言われています。【何らかの症状が現れてから】ではなく【定期的】に検査を受けることが、病気の早期発見・早期治療につながります。
コジマ動物病院の犬猫ウェルビーイング健康診断では全てのコースに尿検査が含まれております!ペットの健康状態のチェックに是非ご活用ください。
何か気になることがあればお近くのコジマ動物病院までご相談ください。