犬と暮らす

犬たちの活躍

人と犬との付き合いはじめはとても古く、人がこの世に現れてから間もないときからという説や、その後オオカミを飼いならしてきたという説もあり明確にはなっていませんが、昔から犬が人間の非常に大切なパートナーであったことは間違いないでしょう。

人々が狩猟で暮らしていた時代には狩りの手助けをし、人が住居を構えて定住し、耕作や牧畜をはじめるようになれば、家の農作物・家畜を外敵から守る番犬の役割や、家畜の管理まで担うようになりました。このように、犬は人々に奉仕するために生まれてきたのではないかと思われるほど、昔から働き者で、人に対する忠誠心や、自分の仕事への使命感をもっているのです。

現在でも以下に掲載したように多くの場面で人の役に立っています。

狩猟犬

ハンターよりも早く鳥や獣などの獲物を見つけ出し、ハンターに知らせたり、ハンターのところまで追いつめたり、射落とした獲物を探し出して持ってきたりする。大きな獣には命を張って立ち向かうなど、狩猟には欠かせない存在であり、まさによきパートナーである。

牧畜犬・牧羊犬

広い牧場の牛や羊などの家畜を外敵から守り、家畜を移動させるときなどは上手に誘導したり追い込んだりする。

警察犬

優れた嗅覚で犯人のにおいを嗅ぎ分け、これを追跡したり、ときには犯人に飛びかかって捕まえたり、また人を護衛したりする。

麻薬捜査犬

空港や港で外国から持ち込まれた荷物に隠された麻薬を嗅ぎだすなど、人間には不可能な能力を発揮して麻薬調査に協力している。

番犬

家や農場、大きな倉庫の大切な品物の番をし、不審な外来者を追い払い、家族や財産を守ってくれる。

災害救助犬

地震や山崩れなどの災害の現場で、鋭い嗅覚で家や土砂の下敷きになった人を探し出し、尊い命を助ける仕事に従事している。

盲導犬

目の不自由なかたを誘導する役目を果たしている。道路や交通の状況もよく理解し、的確な判断をして、交通事故などにあわないようサポートする。

聴導犬

耳の不自由なかたのために、電話のベルが鳴ったり、来客があったことを知らせたりするなど、主人の聴力の不足を補完する役目をしている。

介護犬

肢体不自由な人の手足となって生活の手助けをしている。主人が体を起こすときには自分の体で主人を支えたり、主人がほしいものを持ってきたりする。

最近では、犬との触れ合いが人間の病気を癒すのに大変役立っていることがわかってきました。犬とスキンシップをとっていると、患者の精神が安定し、血圧が下がったり、脈拍が落ちつくといわれています。 日本では2003年10月より身体障害者補助犬法が完全施行されるようになり、今では民間のデパート、スーパー、コンビニエンスストア、飲食店などにも、このような犬たちが同行できるようになりました。こうした場所でパートナーとしての犬の働きを見ることで、健常者の理解も深まっていくことでしょう。

私たちにとって犬の存在とは?

犬たちは昔も今も、私たちには日常生活の一部といえるパートナーであり、家族の一員として愛されてきました。純血種(純粋種)とは、元をただせば雑種犬ですが、その犬の能力や体型をベースに、淘汰を繰り返しながら長所を伸ばし、改良を加えられ認められた犬たちなのです。

これからも新しい犬種が公認されていくことでしょうが、現在純血種として公認されている犬種でも、犬種自体が消滅するというケースが出てくるかもしれません。そのときは、できるだけ我々の手でそれらの犬種を保護し、後世に残し伝える義務があると思っています。私たちが犬たちを愛する風潮は、あたかも世界の平和のありようと並行しているように思えます。犬たちが私たち人間を守ってくれるように、私たちも守り続けていかなければいけない存在なのです。

ペット図書館トップ