ハリネズミについて

ハリネズミとは、体にあるたくさんのかたいトゲが特徴の動物で、“食虫目 ハリネズミ科”に分類されています。ペットショップでよく見かけるのは“ヨツユビハリネズミ”という種類で、ときには“ピグミーヘッジホッグ”といったネーミングがつけられていることがあります。敵から攻撃されたり危険を感じると、クルッと体を丸め、まるでトゲトゲのボールのようになることが有名です。しかし、なれてくれるとトゲを立てなくなり、手のひらにのせることもできる可愛らしい動物です。“ヒメハリテンレック”も体にトゲがあり、ハリネズミによく似ています。しかしテンレックは、“食虫目 テンレック科”に分類され、ハリネズミとは違い半樹上の動物です。体のトゲも、一般的なハリネズミほどかたくないという特徴をもっています。
近年では、日本の各地で野生化しているハリネズミが発見されるようになりました。それは、ペットとして育てていたハリネズミを、人間の勝手な理由で野に放してしまった結果なのです。現状生息している野生動物の生活を脅かし、元の自然を狂わせることは絶対してはいけません。最後まで責任をもち、ずっと可愛がって育てることが、飼い主さんの使命であることを忘れないでください。
ハリネズミの平均寿命は6~10年、ヒメハリテンレックで10~13年といわれています。ペットが幸せに天寿をすごせるように、飼い主さんは大切に育ててください。

飼育セットをそろえる

ハリネズミを迎える前に、育てるために必要なセットを用意し、用品ひとつひとつの用途を把握しておきましょう。

飼育セット

  • ケージ
  • 床材
  • 吸水器
  • ビタミン剤
  • 主食
  • 補助食
  • 副食
  • エサ用昆虫
  • エサ入れ
  • 隠れ家
  • 飼育本
  • ヒーター

どんなごはんをあげたらいいの?

ハリネズミには専用フードも販売されていますが、なかなか入手が難しいため、フェレットフードや犬猫用フードを用いるのが一般的となっています。そして野生のハリネズミは、主にミミズや昆虫、トカゲ、植物などを食べており、顎はかたいフードを砕いて食べるほど強くありません。そのため、ドライフードは全てふやかして与えます。
なお、ハリネズミはグルメで、長い期間同じ内容の食事を食べていると、なかなか新しい食べ物を受け入れません。はじめからバランスのよい食事を心がけることが大切です。すでに偏った食事になれてしまった子は、少しずつ根気よく改善する必要があります。そして、飼育下のハリネズミは比較的肥満になりやすく、それはペットとしての食事に問題があります。原因としてあげられるのは、少ない運動量に対して、栄養価の高い食事を与えてしまうことだと考えられます。

MEMO

●お水
新鮮なものをいつでも飲めるように、吸水器で与えます。

●回数と時間
朝と夜1日2回。ふやかしたフードや果物などは腐りやすいため、毎回新鮮なものに取り替えましょう。

●ハリネズミフードの種類
おうちに来るまで与えられていたものを聞き、はじめはそれを与えてあげるとよいでしょう。突然種類を替えてしまうと、拒食や下痢の原因になってしまうことがあります。フードの種類を替えたい場合は、今まで与えていたものに、少しずつ新しい種類のものを混ぜ入れ、徐々に切り替えるようにしましょう。

●生後1~2ヶ月

1.ふやかしたフード(フェレット・犬・猫などのフードを利用することが一般的)
ドライフードを水でふやかしてから与えます。(お湯でふやかす場合は、短時間でやわらかくなるため、ふやかし過ぎに注意しましょう。)固形のフードを指でグッとつぶせる程度が目安となります。
※フードは、やわらか過ぎても消化不良を起こす場合があるので注意しましょう。

※硬い物が一切食べられないという訳ではありませんので、歯石・歯肉炎の予防のために、ふやかしたエサだけでなく、ドライのまま食べられるフードも与えてみましょう。

2.補助食
育ち盛りのベビーには、栄養剤を少々主食に混ぜて与えます。
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や肥満の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。

3.果物
リンゴ・バナナ・ミカンなどの果物を少量与えます。
※あくまで副食です。与え過ぎは偏食や体調不良の原因となるため、少量ずつ与えてください。

●生後2ヶ月~

1.ふやかしたフード(フェレット・犬・猫などのフードを利用することが一般的)
ドライフードを水でふやかしてから与えます。(お湯でふやかす場合は、短時間でやわらかくなるため、ふやかし過ぎに注意しましょう。)固形のフードを指でグッとつぶせる程度が目安となります。
※フードは、やわらか過ぎても消化不良を起こす場合があるので注意しましょう。

2.補助食
レバー、卵黄、ウズラの卵などを補助として与えます。
※嗜好性が高く、与え過ぎは偏食や肥満の原因となることがあるため、少量ずつ与えてください。

3.果物
リンゴ・バナナ・ミカンなどの果物を少量与えます。
※あくまで副食です。与え過ぎは偏食や体調不良の原因となるため、少量ずつ与えてください。

4.エサ用昆虫
コオロギ・ミルワームなどを毎日少量、もしくは2~3日に1回程度与えます。

注意

フードの切り替え時期は個体差がありますので、上記の内容と異なることがあります。それぞれつくり方などの詳しいご質問は、お店スタッフにお気軽におたずねください。

ハリネズミの病気について

ハリネズミのように小さな動物は、飼い主さんが病気やケガに気が付いたときには、手遅れとなってしまうことがあります。それを防ぐためには、普段からの健康管理がとても大切です。毎日ハリネズミの様子を観察し、天候や与えた食事、食べた量などを日誌につけておくと、病気になったとき獣医さんが診察するのにとても役立つことでしょう。ここでは、症例として多い病気を取り上げ、症状・原因・予防の代表例を紹介します。

MEMO

ハリネズミの皮膚病について

ハリネズミは、皮膚病になりやすい面があり、体のかたいトゲとはうらはらに、皮膚はとってもデリケートです。しかし、皮膚病になっても、体のたくさんのトゲで、治療にも時間がかかってしまうのです。そして、皮膚病だけでなく、マダニ・ヒゼンダニ・ノミなどの外部寄生虫にも注意する必要があります。
皮膚病の最も大きな原因は、“湿度が高く、不衛生な環境での飼育”があげられます。そのため、日ごろから衛生的な環境を心がけることが必要です。なお、ストレスや体力消耗によって体の抵抗力が下がることによって、多くの皮膚病になりやすくなってしまいます。
そのため、はじめの [鉄則3] にもあるように、日ごろからペットにとってよりよい環境を整えることが、最も大切な予防となるのです。

MEMO

ハリネズミに多い病気

皮膚糸状菌症(真菌):脱毛、かゆみ、フケが出る、皮膚が化膿し炎症を起こす

内容
カビの一種である菌の感染により起こる皮膚疾患です。真菌には、白癬菌属や小胞子菌属などがあります。ハリネズミは皮膚病にかかりやすいといわれており、こういった糸状菌を保有していることが多いのです。とくに白癬が多くみられます。糸状菌を保有しているハリネズミ全てが皮膚疾患になるわけではなく、ストレス・体力消耗・さまざまな病気などが原因で、免疫力が低下すると発症しやすくなります。

感染経路
真菌を保有した動物との接触、または身近な環境で発生した真菌が皮膚の角質層や体毛につき感染する。

予防方法
真菌が発生しにくい環境をつくることが、最大の予防となります。そのためには、通気性のよい清潔な環境を保つことが大切です。真菌はハリネズミにとって大変身近な病気です。命に直結する病気ではありませんが、日ごろの体調チェックで、早期発見・治療を心がけましょう。

自咬症:足・手の先端部などのケガや炎症

内容
ハリネズミは、ストレスなどにより自分自身を傷つけることがあります。主に、足や手の指などをかんで食べてしまうことが多くみられます。症状が進行すると、傷口が菌に感染し壊死してしまうこともあります。

予防方法
日ごろから、ストレスの少ない安定した環境をつくることが最も重要です。触り過ぎ、かまい過ぎに注意し、ハリネズミが落ちつける生活を心がけましょう。

コクシジウム症:下痢、腸炎、発育不良など

内容
コクシジウム原虫の感染が原因の病気です。ある程度成長したハリネズミの場合、症状を示さない場合も多いですが、離乳から日の浅いベビーは、症状が進行すると脱水を起こし、命をおとす危険性があります。

感染経路
経口感染(感染した動物が排泄した糞便に含まれるコクシジウムを、何らかのかたちで口にすることにより感染)

予防方法
すでに感染してしまった動物が近くにいると、直接糞便を口にしたり、乾燥した糞便が空気中を舞うことによって、病気が蔓延する可能性があります。糞便に含まれるコクシジウムは、排泄されてから2日程度で感染力をもつため、こまめな掃除による衛生管理が最も重要になります。

注意

クシジウムは、健康な個体もしくは1度治療をして回復した個体であっても、ストレスや飼育環境の悪化によって再度発症してしまうことがあります。日ごろから健康チェックで便などの状態を観察し、症状の早期発見を心がけましょう。異常を発見した場合は、すぐ購入したお店のスタッフまでご相談ください。

ハリネズミの不思議な行動や習性

ハリネズミの泡ふき行動

ハリネズミの変わった行動の一つとして“泡ふき行動”があげられます。これは、ハリネズミが大量の泡状となった唾液を体に塗る行動です。まだこの行動の明確な理由は解明されていません。
●唾液からする刺激臭をだして異性に求愛する
●皮膚につく害虫や寄生虫を防ぐ
●針(トゲ)の洗浄効果
●外的から身を守る
などの理由が考えられています。
この行動は、病気と勘違いしてしまう飼い主さんも多いようですが、ハリネズミ特有の珍しい行動なのです。

ハリネズミの温度管理

ハリネズミは、気温30℃を上回ると“夏眠”、10~16℃を下回ると“冬眠”する習性があります。ハリネズミの体に負担をかけないためにも、適温25℃前後を保つように心がけましょう。

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